みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて35年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪ noteも書いています(https://note.com/child_books/)

ファンタジー研究会

横浜「と」の子どもの本研究会へ

9月1日(日)

小淵沢を9時52分に出たスーパーあずさ10号は、新宿に11時45分着。


guguさんと一緒に、すぐに湘南新宿ラインに乗り換えて横浜を目指しました。この日は、子どもの本研究会で、美紀さんの北欧3か国訪問の報告会が14時からあります。

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あずさの中で、「と」の近くにあるランチのお店オイノス石川町に予約入れ、予定通り12時45分に到着。



サラダもフォカッチャも美味しい

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パスタも美味しかった!



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」は、14時まではシェアキッチンとして別の方がランチ営業中。少し早めに到着して、中で待たせていただきました。

会には、発表者の美紀さんを含めて12名が参加。



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この夏、国際児童文学学会に参加するのを機に、フィンランド、スウェーデン、デンマークの北欧3か国をまわってきた報告を、たくさんの資料や写真と共に、伺うことができました。


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子どもの本を研究している美紀さんならではの視点で、北欧3か国の様子を紹介してもらうと、断然訪れてみたくなりました♪


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持ち寄りのお菓子でのティータイム






そして、参加者のみなさんの夏の収穫!絵本や子どもの本の学びについて、報告し合えた時間もとても有意義でした。


バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』@子どもの本研究会

7月15日(月・海の日) 14:00〜@子どもの本の家ちゅりっぷ(我が家)


絵本研究会・ファンタジー研究会が2月24日に一旦最終回になった(最終回のブログ記事→こちら)あと、有志の方々が中心になって、学びの場を継続していこうと「子どもの本研究会」としてリニューアルし、6月から活動が再開しました。

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第1回目の6月の会は、残念ながら文庫活動と重なってしまって参加できなかったのです。
そして7月の第2回は私が担当することになったので、文庫のお披露目もかねて(文庫オープンは3年前ですが、研究会仲間には来る機会のない方もいたので)我が家で開催しました。


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そんなに広くないダイニングに家中から集めた椅子14脚をずらり。


朝から大掃除をして、椅子を並べてみなさんがいらっしゃるのを待ちました。






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今回のテーマは、私が決めてよいと言われ、悩んでいた時にお世話役の方に「たとえば一番好きな絵本って何かしら?」と聞かれて、咄嗟に答えたのがバージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』でした。


ちいさいおうち縦

記憶を辿れば、まだ4歳だったころに、岩波子どもの本の1冊として縦書き判型の『ちいさなおうち』を母に何度も何度も読んでもらったこと。


1954年に出版された岩波子どもの本の『ちいさいおうち』は、本来横書きのものを無理やり縦書きにするために逆版で作られていました。




今、手元には縦書きの『ちいさなおうち』はないのですが、ネットの情報からどんな文章だったかを知ることが出来ました。(→「青蓮亭日記」古道具屋「ロータス・ブルー」のブログ


そこでまずは石井桃子さんの翻訳についての比較をしてみました。


ちいさいおうち
ばーじにあ・りー・ばーとん
岩波書店
1965-12-16





ちいさいおうち (岩波の子どもの本)
バージニア・リー・バートン
岩波書店
1954-04-15






1965年に原作と同じ判型で出版された『ちいさいおうち』大型本と、1981年改版の岩波子どもの本『ちいさいおうち』

少しずつ訳が変っていて、タイポグラフィという文字の配置もそれぞれ変化していました。そのことをツイートすると、岩波書店児童書編集部の方から返信ツイートがありました。

曰く、「それぞれの版が異なっているのではないかと思います。大型絵本は2001年に石井桃子先生が訳文を見直して改訳決定版としていますが、その時に「岩波子どもの本」と訳文をそろえています。」(2019/7/11)


それを受けて、2012年出版の改版58刷の『ちいさいおうち』を図書館で借りてきて、4つの訳文を比べてみました。

石井桃子さんの翻訳については、竹内美紀さんの『石井桃子の翻訳はなぜ子どもをひきつけるのか』(ミネルヴァ書房 2014)が参考になりました。





その上で、自分が子ども時代に読んでもらった時の気持ちになって、もう一度『ちいさいおうち』を読み直してみました。
64814121_2339168429498747_2131414444473843712_nなぜ何度も母に「もう一回読んで!」とお願いしていたのか、何が幼かった私の心を惹きつけたのか・・・そう思うと、以下の5つの点が思い浮かびました。


1)ちいさいおうちの擬人化・・・窓がつぶらな瞳に見えて、自分の想いをちいさいおうちに重ねることができたこと
2)時間の経過がわかること・・・太陽の動き、月の満ち欠け、自然の変化、四季の移ろい、開発されていく町の変化など、絵を読むことでその変化を感じることができたこと
3)人々の暮らしがわかる・・・「大草原のちいさな家」のような、西部開拓時代のアメリカの暮らしが手に取るようにわかったり、親子の生活が描かれていて、家族の会話が聞こえて来そうだったこと
4)自己の再発見・・・誰からも顧みられなくなっても、いつかまた見出してもらえるという希望を感じたこと
5)回復・・・そしてふたたび初めにあったのと同じ場所へ戻っていくちいさいおうちの姿を見て、安心感を感じたこと


あの時代に、行き過ぎた開発による公害問題などにも言及しているこの作品は、親になって再び出会って、多くの示唆に富んでいるものだと驚嘆したものでしたが、子ども時代はそうした背景にはあまり意識せずに、ただただちいさいおうちになりきって、安心していたんだなあと思います。

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そんなことに加えて、バージニア・リー・バートンが生きた時代などについても、昨年の「バージニア・リー・バートン展」の図録や、伝記などを用いて1時間ほどお話ししました。




ヴァージニア・リー・バートンの世界: 『ちいさいおうち』『せいめいのれきし』の作者
小学館
2018-03-14







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そのあとは、ティータイム。14人が最近気になっている子どもの本について話したり、今やっている活動について報告したり・・・


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そのどれもが、興味深いものばかりでした。


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みなさんが持ち寄ったお菓子もどれも美味しくて




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あっという間に17時になってしまったほど、楽しい時間となりました。

遠くまで足を運んでくださったみなさま、ありがとうございました。





わらべうた講座→ファンタジー研究会へ 入間市から横浜まで一本で

2月24日(日)

前日の23日も都内を抜けての大移動(板橋区の図書館から、三田経由で千葉県習志野市まで)したのですが、翌24日も都内を抜ける大移動をしました。


朝、家を8時前に出て入間市へ。
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9時に入間市担当の方と待ち合わせをして、入間市図書館の金子分館へ。今年で3回目となるわらべうた講座を10時〜と11時〜の2回担当しました。


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12時過ぎに終えて、車で入間市まで送ってもらい、そこからFライナーに乗って乗り換えなしで横浜まで。横浜で乗り換えて石川町のアートスペース「と」へ久しぶりに(調べてみると2年ぶり)行ってまいりました。





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ここを会場にして、主宰の竹内美紀さんが、友人のNさんと立ち上げた絵本研究会を55回めのこの日を節目に主宰から降りることになり、今の形式での研究会を終えるという日でした。

また、代官山蔦屋書店で出会った美紀さんやR子さん、Mさんの4人で2014年9月に立ちあげた(といっても主宰は美紀さんで、私は途中から参加できなくなっていましたが)ファンタジー研究会も、4年超でちょうど45回めとなり、こちらも一旦活動を終えるということになりました。


いずれも私は、2014年にふたつの活動に関わったあとに、夫の看護と死、そして両親の介護、父の死が相次ぎ、また仕事のない週末に自宅での文庫活動を再開したこともあって、参加できなくなりました。ブログ記事をたどって確認すると、最後に参加したのが2016年12月4日(日)の絵本研究会、ファンタジー研究会の合同クリスマス会でした。(その時のブログ記事→こちら
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この二つの研究会と出会ったことで、私自身、大きな刺激を受けました。小樽の絵本・児童文学研究センターの受講を決意したのも、ファンタジー研究会の際に美紀さんの口から出てくる子どもの発達とファンタジーの関係など小樽での学びをベースにした視点がすごく腑に落ちたからでした。



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ここで出会った赤羽茂乃さんや、静岡のK子さんたちをはじめ、メンバーと一緒に八ヶ岳へ日帰り旅行をしたり、高千穂へ行ったり、大山へ行ったり・・・


美紀さんとも小樽をはじめ、いろんなところへ一緒に行きました。





絵本研究、子どもの本研究への視点への示唆をたくさんもらった会でした。



さすがに入間市からの移動では、最初の研究会の部分には間に合わず、懇親会からの参加でしたが、これまで絵本研究会、そしてファンタジー研究会に参加していた仲間たちと再会でき、またここで出会った人の輪はこれで終わりではないと感じられた、とても和やかな時間になりました。


美紀さん、素晴らしい学びの場を作ってくださってありがとうございました。次の夢に向けて私もがんばります♪

地域の居場所を作ってこられたアートスペース「と」の今井さんも、いつも素敵な笑顔で迎えてくださってありがとうございます。図書館総合展に駆けつけてくださったことも嬉しい思い出です。


これまでの記録
〈絵本研究会〉
初めて絵本研究会に参加した時のブログ記事→2014年9月14日
2回目に参加した時のブログ記事→2014年12月14日
3回目に参加した時のブログ記事→2015年2月25日(昔話の比較について発表しました)
4回目に参加した時のブログ記事→2015年3月22日
スピンオフで散在ヶ池散策と、ワイン会→2015年4月4日 こちらこちら
5回目に参加した時のブログ記事→2015年4月12日
6回目に参加した時のブログ記事→2015年10月4日(茂乃さんの発表)
7回目に参加した時のブログ記事→2015年12月6日(絵本研究会とファンタジー研究会合同クリスマス会)
8回目に参加した時のブログ記事→2016年1月24日(「ママがおばけになちゃった」問題についての発表)
スピンオフで茅野、そして八ヶ岳小さな絵本美術館へ→2016年10月1日
9回目に参加した時のブログ記事→2016年11月13日(まとめ記事の中で報告)
10回目に参加した時のブログ記事→2016年12月4日(2回目の絵本研とファン研合同クリスマス会)
この後、両親の介護が始まり、参加できなくなっていました。

〈ファンタジー研究会〉
ファン研立ち上げ→2014年9月14日(『裏庭』梨木果歩)
ファン研2回目→2014年10月24日(『守り人』シリーズ 上橋菜穂子)
ファン研3回目→2014年11月23日(『鬼の橋』伊藤遊)
ファン研4回目→2015年1月18日(『二分間の冒険』岡田淳)
ファン研5回目→2015年2月15日(『空色勾玉』荻原規子)
ファン研6回目→2015年3月15日(『かはたれ』朽木祥)
スピンオフの散在ヶ池散策→2015年4月4日
・・・この後しばらく夫の看護、看取りのために渡米・・・
ファン研11回目→2015年9月27日(『どろぼうのどろぼん』斉藤倫)
ファン研12回目→2015年10月11日(『石の神』田中彩子)
ファン研13回目→2015年11月22日(『ドーム群ものがたり』
絵本研究会とファンタジー研究会合同クリスマス会→2015年12月6日
ファン研14回目→2016年1月31日(『岸辺のヤービ』梨木果歩)
ファン研19回目→2016年7月10日(『まく子』西加奈子)(まとめ記事の中)
ファン研23回目→2016年11月27日(『八咫烏』シリーズ 阿部智理)
絵本研究会とファンタジー研究会の合同クリスマス会2→2016年12月4日
このあとは前述のとおり・・・両親の介護が始まって、行きたくても行けない日がずっと続いて、今回まで2年ブランクが開いてしまいました。


途中で行けなくなってしまったけれど、こうして古い記事を振り返ってみると、かかえがえのない世界、テーマに、そして友人たちに出会えたなあと嬉しくなりました。

この2つの研究会で出会えた素敵なみなさまに、感謝の気持ちを伝えたいなって思います。

今年もファン研&絵本研合同クリスマス会へ

12月4日(日) 14:00〜 @石川町アートスペース「と」20161204合同クリスマス

昨年に引き続き、ファンタジー研究会と絵本研究会の合同クリスマス会が開催されました♪(昨年の様子→こちら) 

昨年、初めてポットラックパーティーで盛り上がったので、今年もポットラックパーティーになりました♪今年はさらにバージョンアップしていました。ワインの本数も倍増。私も20161204合同クリスマス3神戸RoteRoseから取り寄せたドイツワインを持って行きましたよ^^


またこの日は目玉ゲストにアイヌの歌姫、「イメルア」の酒井美直さんがいらしてくださいました。彼女のパフォーマーとしての活動や、アイヌの歴史的な背景についてお話をしてくださいました。

特に、アイヌであることで差別されてきた歴史、そして中学生までは父がアイヌであることを隠していたこと、 高校1年の時にカナダの先住民族の若者たちと交流するツアーで少数民族である誇りを取り戻したこと、強制的に言葉や文化をはく奪された民族として、その文化を語り継ぐ存在が大切だと感じたこと、大学卒業後アイヌ出身の仲間と20161204合同クリスマス6「アイヌレプルズ」というグループを結成していたこと、しかし「アイヌ」=「被差別民族」という部分だけ取り上げらることへの疑問から、ただの表20161204合同クリスマス7現者として活動をしたいと望んだことなどを、言葉を選びながら丁寧にお話してくださいました。

思わず涙がこぼれそうになる瞬間も・・・

アイヌの楽器ムックリの生演奏もあり、アイヌの歌あり・・・
素敵な時間になりました。

それから、各自の活動報告がありました。(小樽・文化セミナー代官山蔦屋書店・瀬田貞二生誕100年記念トークちひろ美術館・赤羽茂乃講演会
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そして、やっとお楽しみのお食事タイム♡静岡のHさんが塩釜鳥を運んできてくださり、その素晴らしさに感動したり♪

とにかくみなさんの作ってこられたお料理がどれも美味しかったです20161204合同クリスマス11

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そのあと、みんなでおすすめの本の紹介などをしました。

絵本好きな友人たちは、好奇心が強いのか、食いしん坊さんが多いのか、お料理の腕前も素晴らしく、どれも美味しかったです。(ちなみに私はサンフランシスコ・ギラデリのチョコレートブラウニーの素を使って、焼いていっただけでした・・・それっきゃ出来ない私、去年と同じだった・・・^^;)

ファンタジー研究会&絵本研究会のみなさま、主宰のMさん。この一年も楽しい時間をありがとうございました。(今年はなかなか全部に出席できなかったので、来年こそはもっと参加したいと思います)
 

第23回ファンタジー研究会「八咫烏」シリーズ

11月27日(日) 9:00〜@代官山蔦屋書店anjin20161127代官山

第23回ファンタジー研究会のお題本は阿部智里の『烏に単は似合わない』(文藝春秋 2014)をはじめとする八咫烏シリーズでした。
烏に単は似合わない (文春文庫)
阿部 智里
文藝春秋
2014-06-10

 
 今年は、なかなか予定が合わず、第14回1/31『岸辺のヤービ』第20回7/10『まく子』につづく3回目の参加、そして今回は司会進行係りです。

で、司会進行係りはお題本はきっちり読んで、また周辺のことも調査をして、当日に備えなければいけないのですが、今回は仕事で読まなきゃいけない本が多くて、こちらに手が回らず、第1巻の3分の2ほど読んだところでの参加となってしまいました。

もっぱら私は聞き役に徹して、みなさんのお話を伺いました。そして聞いたことをまとめるという作業が宿題となっていますが、このブログ記事を書きながら、記憶を整理し、報告書にまとめようと思います。

20161127代官山2今回の参加者は、主宰のTさん、初期メンバーのSさん、代官山蔦屋書店の児童書コンシェルジュのYさん、そして先日の小樽文化セミナーでご一緒した絵本・児童文学研究センター基礎講座26期修了生のUさんと私の5人でした。

TさんとUさんは、シリーズ最後まで読んでいて、Sさんは1巻だけ読了、Yさんは未読、私は1巻の途中までというなかで、このシリーズを最後まで読んでいる二人がこの作品の魅力を力説してくださって、これから読むものの背中を押してくれる、そんな会になりました。

まずは「八咫烏シリーズ」について
第1巻 『烏に単は似合わない』
烏に単は似合わない (文春文庫)
阿部 智里
文藝春秋
2014-06-10

第2巻 『烏は主を選ばない』
烏は主を選ばない (文春文庫)
阿部 智里
文藝春秋
2015-06-10





第3巻 『黄金の烏』
黄金の烏 (文春文庫)
阿部智里
文藝春秋
2016-06-10

第4巻 『空棺の烏』
空棺の烏 (文春e-book)
阿部智里
文藝春秋
2015-08-28

第5巻 『玉依姫』
玉依姫
阿部 智里
文藝春秋
2016-07-21


そして作者の阿部智里さんは、1991年生まれで早稲田大学在学中の20歳の時に『烏に単は似合わない』で第19回松本清張賞を最年少で受賞している才媛。

今回、このシリーズを楽しんだというお二人が言うには、これほどの架空の世界を構築するためには神話、歴史、文化人類学、ファンタジーからミステリーの様式まで、さまざまな知識が必要で、かなりの読書歴があるのではないかということでした。

トールキンが中つ国を、ルイスがナルニア国という異次元の世界を設定していたように、八咫烏の舞台は人間とは別の人々の歴史がある世界を描いている。また、読者を裏切るどんでん返しもあって、それがミステリーとしての高い評価に繋がっているということ。

1巻目の序盤は、美しい姫たちが織りなす宮廷のどろどろとした人間模様を描いているのかと思わせて、後半でまったく違った様相になり、もっとダイナミックな動きのある物語になっている。

5巻まで読まないと、全体像がわからないほど、壮大な物語になっている。まだ表現には粗削りな部分があるけれど、プロットの構成力はあり、人間のピュアな気持ちで物語の展開していく。才能を感じる。

読み進めるうちに、ぐいぐい惹き込まれ八咫烏の世界に入り込んでしまう。5巻とも、それぞれうまい具合に裏切られていくのだが、あとで思い返すと全部が繋がっており、何度読んでも発見があって時系列ごとに遡ることができる。

きっとこれまでの読書歴を下敷きにして書いているので、読み手には既視感を覚える。しかしそれをひっくり返す展開が必ず用意されていて、それがまた面白い。

この物語は、ある程度人生の裏側というものがわかるようになる思春期以降、中高生以上が対象だろう。中高生のファンも多い。陰謀、青春、冒険、友情、逆転、活劇とさまざまな要素がある作品。

そういう意味では、壮大な物語といえるが、読んでいる時に整理しながら読まないといけないかもしれない。上橋菜穂子の「守り人」シリーズよりも複雑な背景が用意されている。

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当日の、みなさんの発言はざっとこんな感じでした。第1巻3分の2までは読みにくく感じるだろうけど、それを過ぎると物語が一気に動き出し、面白いと、読み終わった3人が3人、そう言うので、未読の私たちは大いに背中を押されました。

さ、レポートにきちんとまとめなきゃ!
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