みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて35年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪ noteも書いています(https://note.com/child_books/)

図書館

大人が楽しむおはなし会@方南図書館

2024年2月10日(土)14:00〜


あっという間に・・・1か月近くが経ってしまいました!

426741252_7186132874802254_8223026938710752581_nコロナ感染症のパンデミックで2020年以来実施されてこなかった「大人が楽しむおはなし会」が、方南図書館で開催されました。











427124690_7186132728135602_7500202335855072053_n私も、普段のおはなし会ではなかなか語ることのできない大好きなイギリスの昔話「赤鬼エティン」を語りました。





このおはなしに出会ったのは、もう17年ほど前・・・当時、末っ子が通っていた小学校のおはなし会ボランティアをしていました。この小学校では、一学期に1回、授業の時間をいただいて保護者ボランティアによるおはなし会を実施していました。(2019年度は会員募集を学校支援本部を通してやってますが、コロナ禍でどうなったのかな・・・→こちら


今も続いているかは不明ですが、当時は必ずプログラムの中に素話を入れる事になっていました。


私も、学生時代から覚えたいくつかの持ちネタ(といっても、当時は数話でした)を、主に息子の学年の3クラスで語っていました。



息子たちが中学年になり、4年生の時に各学級でいわゆる学級崩壊のような状況が起きました。おはなし会に入ると、落ち着きのない子たちが数人いて・・・という中で、どんなおはなしを語るとよいのだろうと悩んでいたのです。


銀座教文館ナルニア国でおはなしのテキストを探している時に、当時店長をされていたTさんに学年の様子を話したうえで、どんなおはなしを語ったらよいでしょう?と尋ねたところ、お勧めされたのが「赤鬼エティン」だったのです。


しかし、当時私はフルタイムで勤めていて、このおはなしを覚えようとしていたのに、完全に自分のものにできないまま、息子も小学校を卒業してしまいました。


東京子ども図書館の37期のお話の講習会に通う中で、このおはなしを覚えて人前で語れるようになりました。今は、このおはなしが、自分にとってとても感情移入しやすい大事なものになっています。


あらすじはこんな感じ・・・

夫を早く亡くした母親が小さな畑を借りて息子二人を育てている・・・そのうち息子たちも大きくなり自立させる時がやってくる。

ひとり立ちする時に母親が持たせてやれるのは、息子が汲んできた水で焼いたパンのみ。息子が井戸で汲んでくる水の量で、そのパンの大きさも決まる。


その上、母親はパンを半分にしてその半分に母親の祝福をつけてもっていくか、丸ごと母親の呪いをつけてもっていくのか、選択するように迫ります。


長男のほうは、バケツに穴があいていようがお構いなし。汲んできた水の量が少なかったので小さいパンしか持たせてもらえません。旅先で食料を手に入れる当てもないと考え、母親の呪いで何が起きても構わないと言って半分を家に置いてくることはしなかったのです。


次男のほうは賢くバケツに穴が空いているのに気づいて粘土を穴につめて水くみに。そのため次男のパンはとても大きく、母親の祝福がついているほうが言って半分のパンをもらうのですが、それは兄のパンより大きい。余裕があるので、途中で出会った老婆にも分けてあげられる。

この老婆は実は妖精で、次男は魔法の杖を授けられ、困難を乗り越える方法まで伝授されます。



それぞれ兄弟は、赤鬼エティンの城へ導かれ、そこでエティンと向き合うことになるのですが、兄のほうはエティンに出された謎かけにも答えられず、石の柱に変えられてしまう。


物語は、のちに弟がエティンと対峙し、エティンを滅ぼして兄も救い出すのですが・・・兄と弟の違いがくっきりわかりやすく描かれたこの昔話に、子どもがどう自立していくのか、学ぶとはどういうことなのか、知恵を用いることの大切さ、母親との関係を良好に保つことの大切さなど、読んでいるとすごくいろいろな示唆に富み、味わい深いお話だなと思います。


おはなしの中に出てくる羊飼いの予言や、頭が三つもある怪物のエティンが出す3つの謎も、面白く・・・イメージを広げやすいおはなしですが、16分くらいかかるので、幼児や小学生学年の子が中心の図書館のおはなし会や、絵本の会では語れないなあ・・・と思っていたのです。



426687252_7186132841468924_2505640632820585881_n4年ぶりに「大人が楽しむおはなし会」が開催されることになったので、真っ先にこのおはなしを語りたいと申し出て、集まった方々の前で語ることができました。








この日のその他の演目は・・・

1.素話 くぎスープ(スウェーデンの昔話『世界のむかし話』のら書店
2.絵本 『狐の振袖』
3.素話 赤鬼エティン(イギリスの昔話『愛蔵版おはなしのろうそく8』東京子ども図書館)
〜休憩〜
4.詩  「春のうた」草野心平
  詩  「くまさん」まどみちお
5.創作 お能の物語「羽衣」


431237764_7283841161698091_7139486080061257942_n4人で語って、ちょうど1時間半!後半のプログラムはKさんが詩の朗読とお能の「羽衣」を続けてやってくださいました。その世界にぐいぐい引き込まれて、聞き応えがありました。(一緒に語ったお仲間・・・私がこの図書館の司書をしていたころからのご縁です・・・画像は画素数を落としています)







427159917_7186132961468912_183998082050166643_n帰り道、方南町に新しくできたカフェでほっと一息。コロナ禍を越えて、ふたたびこうして語ることができてうれしかったです










来年にむけて、私もまた新しいおはなしを覚えたいなと思っています。

最終講義で「赤鬼エティン」を語る

1月16日(火) 4限目(14:45〜)6限目(18:15〜)

この日、東洋大学司書課程での児童サービス論の最終講義の日でした。


この一年、友人で東洋大学准教授竹内美紀先生のサバティカル休暇中の代務として、前期は司書教諭課程の「読書と豊かな人間性」を、後期は司書課程の「児童サービス論」を担当しました。


後期は特に大勢の学生さん(4限と6限合わせて93名)が受講してくれ、ワークショップも含めて、子ども時代に本に出合うことの意義、児童の発達と読書について、さまざまな児童向け資料について、デジタル時代の読書の在り方、おはなし会やブックトークなどの実技スキル、選書についての学びとレビュースリップの書き方、児童の探究学習におけるレファレンスサービスなどについて、15回みっちり学んできました。


その中で一番大切にしてきたのは、「耳から聴く」読書の大切さを体験してもらうこと。
授業の中で、昔話をはじめとして季節に合わせてさまざまな素話(ストーリーテリング)をしてきました。


素話が出来ることは、石井桃子さんや松岡享子さんが大事にされてきた児童図書館員としての、最低限の、そして最も重要なスキルだと思っています。


9月、まだ暑い時の第1回では「なまくらトック」を・・・児童サービス論ってどんな学びだろう・・・というお試し受講の子もいる中で、学生たちが途中から身を乗り出して聞いてくれていた姿が印象的です。

その後も、ワークショップなど学生が発表する回以外は、授業の最後にお話を語ってきました。「三びきのこぶた」「花咲かじい」など海外や日本の昔話・・・


秋には「まのいいりょうし」、クリスマス前には「こびととくつや」


422311149_7118240948258114_679605979772992649_nそして最後の回ではこれを語ろうと決めていたイギリスの昔話「赤鬼エティン」

世の中に出ていくこととはどういうことなのか。学ぶとはどういうことなのか。







それが伝わったらいいなあと思って語りました。最後まで真剣に聞いてくれた学生さんたちの瞳が印象的でした。


「児童サービス論」を受講して印象的だったことをアンケート取ったところ・・・やはりストーリーテリングや絵本の読み聞かせを挙げてくれた人も多かったです。


****以下、アンケートの回答抜粋****(たくさんの回答のうちの一部です)

「児童サービスについて、まだ自分の知識は表面的なものに過ぎないということを実感しました。特に、障がいのある方への支援について学んだ際に、紹介していただいた小説や物語の数々を通して、私が考える図書館支援の幅が狭い(どうしても一部の利用者に対する支援になってしまう)ことに気づきました。すべての人が制限なく使える図書館とはなにかについて、自分なりの結論を本講義のまとめとして考えてみたいと思いました。
先生の絵本の読み聞かせや語りを聞くと、吸い込まれるように物語が頭の中で思い浮かび、絵本(児童書)のよさを改めて感じることができました。私自身も読み聞かせの機会を将来いただけた際には、先生のように優しく、心地よい語りができるようになりたいなと思いました。


「児童サービス論を受講して、絵本にもオノマトペ等の種類があることや年齢層にあった絵本があることを初めて知った。特に一番この授業で好きなところは、先生が、いつも最後の時間に聞かせてくれるお話が面白く、私も図書館のボランティアで参加するときは先生のような読み聞かせしていきたいと思った。


「私は教育学科の初等教育専攻で入ったため司書に関してはあまり関心がなかったのですが、児童サービス論の学習を深めていく中で児童に対して優しく絵本などを話しかけることが大事だということがわかりました。また先生が授業終了にまじかに話してくれる童話などがとてもやさしく、分かりやすく聞きやすい読み聞かせはなんだか懐かしい気持ちになりました。短い間ではありましたがありがとうございました」


「私は児童サービス論を受けて、本や図書館に対してのイメージが変わりました。私が小さい頃は本を読む習慣が少なく図書館へもあまり行くことはありませんでした。ですが授業を聞き、目が見えない人への絵本や神保先生の読み聞かせを聞き、本を読むことで感受性が大きく変わることを知りました。将来教員になった際は自分が多くの本を読み、子供達にも本を読むことの大切さを伝えていきたいと考えています。」


神保先生の授業では教科書の内容を教えるだけでなく絵本の読み聞かせを取り入れたりしており、忘れかけていた子どもの頃の気持ちが蘇ってきてなんだか懐かしい気持ちになる面白い授業でした。この授業をきっかけに子ども図書館に行ったこともいい思い出です」


授業のところどころで童歌や、絵本を読んで頂いたのがとても印象に残っています。最近は自分の弟に聞かせるばかりだったので、自分が聞くという体験がとても身に染みました。また、神保先生の読み方を参考にして自分も読んでみたりしたのですが、先生の凄さに気づくばかりで僕ももっと読んであげたいなと思うようになりました。授業内容で論理的に学んで、先生の読み聞かせで体験するというサイクルでとても 自分が成長したような気がします。


「児童サービス論の授業を受けて本を読む大切さがよく理解できた。本を幼少期から読む、読み聞かせることにより識字能力、読解力などが養われ会話をしたり、論理的な考え方ができるようになる。また、思春期に本を読むことにより精神的な支えになる。これらのことから本は学びの入り口、精神の安定という大きな役割を担っていると考えた。


自分が小さい頃に何気なく聞かされていたわらべ歌、絵本の読み聞かせなどが今の自分を成り立たせてくれていることにこの講義で気づかされました。今度は自分がその立場になって子どもたちに読み聞かせをはじめとした本を手渡す活動をしたいと思いました。」


自分が幼かった頃を思い出す場面が多々あり、懐かしい気持ちになりつつも学びが多く、とても充実した授業でした。かつて好きだった絵本の数々が紹介されて、楽しく受講できました。またプレゼンもおこない、人に伝えるという練習もできて実りのある授業でした。」



「図書館の運営に関わる中でも、特に児童、学生の利用者との関わり方について深く考えたり学ぶことができたと思います。特に心に残っている内容は、スキャモンの発育曲線についての話と『クシュラの奇跡』についての話です。子供にとって、読書することや読み聞かせによって物語、本から文章に触れることの大切さを知ることができました。自分の幼い頃を思い出して、よく母親が読み聞かせをしてくれたことや、家にはまだ絵本がたくさん残っていることを親に感謝したいと考えました。


「受講前まではなんとなく児童との向き合い方を学ぶのかと思っていましたが、実際は本という存在が子供にとってどんな影響をもたらすのか、それが大人になる過程でどう生きてくるのかを学ぶものでした。まさに子供の頃の自分が辿った本との人生が学術として確立されていることに感動しより一層知見が深まると同時に自分の将来を見据える非常に良いきっかけをいただけました。」


「講義を受講するなかで、児童にとって図書館サービスがいかに重要であるかということをしみじみと感じた。また、この講義をきっかけに、幼い頃のことを何度も思い返すことになった。「本は大人のもの」というイメージをいつの間にか抱いてしまっていたが、子ども時代における言葉の経験はその後の人生にとっても非常に大きな意義を持つものであると実感する。幼少期のコミュニケーションや読書体験が今の私を形成しているということを考えると、家族やその他周囲の人に対する感謝の気持ちがこみ上げてくる。加えて、児童サービスをめぐる様々な課題があることも印象的であった。座学はもちろん、レビュースリップの記入やグループワークなど、様々なかたちの学びを体験することができるのも非常に刺激的で、毎回の講義がとても楽しみだった。
 そして何より、講義のなかで読み聞かせやストーリーテリングを聞くという体験が貴重であり、新鮮でもあった。思わず童心に帰って聞き惚れてしまったが、もし私が児童担当の司書を務めることになったら、先生の話を聞いて私が受けた感動を児童に与えられるようなパフォーマンスをしたいと強く感じた。この講義を通じて、児童が言葉に触れることの重要性を、主観的にも客観的にも理解することができたように思う。


「児童サービス論でどうして本を読んだ方がいのか、どうしたら図書館を利用してくれるようになるかなど司書の児童に対する仕事や役割を多く学ぶことができました。知らなかったことも多くあり興味深く面白いなと感じました。企画も初めてしてみて実際に司書として働いているような感覚になって新鮮でした。この授業全体を通して、もっと本の重要性や図書館の役割をさらに感じて今までよりもっと司書になりたいと思いました。


「図書館概論や、その他の授業と違って現場の生の声が主体になっていると思いました。そのほうがどのようにしたら図書館がよくなるか、等が考えやすいと私は思いました。半年間ありがとうございました。」



「普段図書館について自分の立場で考えることがほとんどだったので、児童へのサービスについてのこの授業は単なる学習以上に、自分の視野を広げるという点で意味のあるものでした。相手に合わせたサービスを提供するのは当然重要ですが、図書館の利用率を上げるためにも若い人へのサービスは大切で、工夫を凝らした取り組みが必要になると強く感じました。」


*********

ほかにもいっぱい書いてくれているのですが、全部コピペすると長くなってしまうので、これくらいにしますが、一年間、私自身もすごくよい体験ができました。

次年度は違う大学の司書課程で、やはり「児童サービス論」を、またもうひとつの大学では集中講義で「認定絵本士講座」を担当することになりました。

それも、この一年東洋大学で非常勤講師を務める体験のおかげです。そんな機会を与えてくれたミッキーこと竹内美紀先生に感謝しています。


最終日は、大学構内の写真も何枚か撮らせていただきました。

421061491_7099918786756997_1554338811410135138_n文学部の入っている6号館は中央に大きな吹き抜けがあります。













421038027_7099918596757016_4286053945260779806_n
いろんな場所に、自習できるスペースがあったり、座って雑談できるスペースがあったり、よく考えられた施設だなあと思います。










418726224_7067142296701313_2649549116909432198_n12月の授業の時は、スポーツセンター前には、箱根駅伝のエントリー選手のことや、「その1秒をけずりだせ」というチームスローガンが掲げられて、学生や関係者に声援を呼びかけるポスターが貼られていました。









418731490_7067142663367943_6670791218611356504_n1月になってその前を通ると、「総合4位!!声援ありがとうございました」とポスターの上にお礼の紙が貼ってありました。

そう、例年は長男が卒業した中央大学を応援していたのですが、今年は東洋大学も応援し、ほんとうにすごく頑張ったなって嬉しかったです♪






420995469_7099919126756963_7453460449678948818_n6号館にはすごく大きな学食があり、最終回のアンケートで「東洋大学の自慢できるところ」を聞くと、多くの学生さんが「学食」と答えてくれていました。

私は毎回コンビニのサラダばかりでしたが、ここにはサブウェイや丸亀製麺も入っている(と気づかなかった・・・年度の途中に入ったそうです。広くて端っこのほうまで行ってみてなかったよ〜)、いろんなメニューがあるのがいいみたい。




4限目の授業のあと、イブニングコースの6限の授業までの間に学食で過ごすことが多かったのですが、最終日は試験週間ということもあり、普段以上に学食が混んでいました。

420940396_7099919100090299_8982975612233452699_n6限の授業を終えると、19時45分。片づけをしていると20時近くになってしまいます。






421022569_7099918756757000_785176013918484937_n国道17号に面した甫水の森は美しいイルミネーションが!クリスマスシーズンだけかと思ったら、1月も美しく輝いていました。




421043781_7099918940090315_5814137409589969737_n421008924_7099918633423679_3232377041483721744_n








白山キャンパスでの仕事は終わったけれど、学生さんたちが今続々とレポートを提出していて、今月末までは成績採点の仕事が残っています。

最後まで彼らの学びに寄りそいつつ、仕事を全うしたいと思っています。

広島市こども図書館へ

2024年1月5日(金)


3年半ぶりの広島。ひろしま美術館で「柿本幸造展」を見終わっても、まだ15時半を回ったところだったので、まずは広島市こども図書館へ移動しました。


ひろしま美術館に隣接する広島市立中央図書館と広島市こども図書館は、2年ほど前に市民の合意が取れない形で広島駅前の再開発事業に伴い駅ビルへ移転するという決定が出され、市民による反対運動が展開されてきました。

私もChange.orgの「私たちは「広島市こども図書館」「広島中央図書館」のエールエールA館への移転に反対します。」署名に同意し、その推移を見守ってきました。


というのも、両親が広島へ移って、両親に会いに行くたびにこのふたつの図書館は、私にとってホッとできる場所でもあったからです。

広島市こども図書館は、昨年、中央図書館等再整備計画(エールエールA館へ移転)から切り離し、現在地で「広島市こども文化科学館」の耐震リニューアル工事にあわせて再整備することになったそうです。ただ、問題はまだまだ山積のようです。


418745074_7070277639721112_244158308319148114_n今回は、時間の関係で子ども図書館のほうだけ、立ち寄ってきました。











418576627_7070278793054330_8331346273295986082_n広島市こども図書館は、こども文化科学館と隣り合わせに建っています。入り口には大きく「驚き、感動、新発見!」と・・・










418757656_7070277829721093_11440047407221060_nこの図書館、、命名権取得者の決定に伴い、2017年9月1日から正式名称は「5-ファイブDaysデイズこども図書館」になっています。でも私は、そのまま「広島市こども図書館」で・・・









417860947_7070835262998683_2076868092893743333_nエントランスにはこの図書館の沿革についても記銘版が掲げられています。











原爆の廃墟の中からこども図書館が誕生するまでには、大ぜいの人々の善意の働きがこめられています。米国南カリフォルニア州広島県人会そのほかから多くの寄附金をいただきました。これは、広島のこどもたちが夢と希望をもつように、こどもの図書館を建てて欲しいという願いからなのです。
昭和24年7月に市内小町旧浅野図書館の中に児童図書館が誕生し、昭和28年現在地にわが国では珍しい貝殻型で総ガラス張りの建物ができました。全国でも数少ないこどもの図書館として、小学3年生の国語の教科書などに写真入りで紹介され、多くのこどもたちに親しまれ、利用されました。
月日は夢のように過ぎて児童図書館も30年近くたち、建物も古くなったので現在の姿に建てかえられたのですが、「こどもたちのために」という善意の人々の尊い願いは、今もなお赤々と燃えつづけています。(昭和55年(1980年)5月1日 広島市教育委員会作成」


この図書館が、とても大切な想いを受け継いでいることを、きちんと宣言する、はじめて訪れた時の感動を思い出しました。(広島市こども図書館HPサイト「沿革・コレクション」→こちら



417843030_7070279676387575_7601527306209285016_nまた、エントランスには「雪と氷」の特集コーナーがあって、ブックリストも配布しています。選書も絵本から読物まで、フィクションからノンフィクションまで、さまざまな年齢のさまざまな子どもたちの多様な興味関心に合うように丁寧に選書されていることが、並んでいる本をパッと見るだけでもわかって嬉しい








418792943_7070278729721003_1320134456857135891_nこういう選書のラインナップをみると、優秀な司書さんがいる図書館なんだなあ〜と、ここを訪れるひとたちに大声で言いたくなります。






418593730_7070279516387591_2742177809101060173_nエントランスホールの壁の反対側には少年写真新聞社のポスターも!







410615093_6970371036378440_1641901720366835755_n (1)左端のポスター「本を読んで世界一周」は、実は私が選書したので、ポスターに「杉並区 家庭文庫子どもの本の家ちゅうりっぷ 神保和子」と名前が印字されています。





こうやって掲示されていて、これを見てひとりでも多くの子どもたちが選んだ本を手に取ってくれると嬉しいなあと思いました。


また、広島市こども図書館では1966年から隔年で良書目録「ほんはともだち」を発行しています。今回、その最新刊「ほんはともだち’22」(2023年3月発行)を手に取ることができました。

2020年以降、広島へ来られなかったので、こうしてまた手にできて感激しました。


419045778_7070733559675520_8847461670273616857_nこの「ほんはともだち’22」で29冊目なんだそう・・・このブックリストでは2020年4月から2021年12月末までに発行された児童図書の中から127点選んで紹介しているとのこと。




こうした信頼できるブックリストを作り続けているということは、並大抵のことではないのです。これまでに出された「ほんはともだち」を6冊ほど私も持っていますが、そこに選ばれている本を見ていても、きちんと時間をかけ選書会議を行って選ばれていることがわかります。


418592016_7070278186387724_2914051175587248723_n図書館の周囲は私が広島へ行けなかった3年半の間にすごく変わっていました。







広島市民球場跡地が、ひろしまGATE PARKに生まれ変わっていたのです。


スクリーンショット 2024-01-11 193116広島城や、ひろしま美術館、そして原爆ドームを含む広島平和記念公園と隣接して、市民が集える広場になっているのです。









スクリーンショット 2024-01-11 193155だからこそ、この文教地区に図書館があることがいかに貴重なことか・・・平和記念公園で見聞きしたことを、図書館で調べたりもできるのに・・・と、中央図書館の移転のことを考えると残念でなりません。




417844419_7070278493054360_8387395503904566559_nせめて、こども図書館がこの場所で、今後も維持され、また子どもたちが利用しやすいように更新され、拡充されていることを図書館の一ファンとして願ってやみません。(こども図書館再整備への請願書提出というお知らせ→こちら





足立区立中央図書館で学校図書館ボランティア講座を担当しました!

12月21日(木) 10:00〜 @足立区立中央図書館


412872372_6996274083788135_6036685576836360064_nこの日は足立区立中央図書館から区内の小学校で学校図書館ボランティアをされる保護者向けに学校図書館ボランティア養成講座のご依頼を受け、実施してきました。









412936284_6996274190454791_1287409494181145791_n区内には69校くらいあるそうですが、今回はそのうちの28校ほどから60名を超える方々が参加してくださいました。










学校図書館ボランティアをしている方々のうち、初心者向けというご依頼だったので、まずは今の子どもたちの読書の実態を第68回学校読書調査報告(2023年11月 全国学校図書館協議会)を元にはなし、その後読書が子どもたちの成長にどのような影響を与えるか、さまざまな実例をもとにお伝えした上で、読み語り活動がどのような意義を持っているかを明確に示しました。


412855783_6996273963788147_1321975290376355326_n後半は、選書の実際と、実技・・・絵本の持ち方とか声の出し方などと合わせて、たくさんの絵本を持参して(図書館でもあらかじめ用意してくださり、講師用とは別に後方に展示してくださっていました)お話しました。










412873897_6996274097121467_6489102732794044428_nこの日の講座が、ご依頼いただいた2023年の最後の仕事でした。












412882515_6996274293788114_2697068738816905149_n数日後、担当の方からメールをいただきましたが、参加者のみなさんの満足度がとても高かったことを伝えてくださいました。





主な感想は・・・

・子供の成長によりそい本を選ぶことの大切さを知った
・とてもわかりやすかったです。小・中学生の実態を知る機会などなかったので、とても勉強になった
・普段、手に取らない本の紹介もしていただき早速読んでみたい
・具体的な本の紹介もあり、すぐ活用できる内容でよかった ・著作権も気になっていたので知ることができてよかった  

などなど

とにかく喜んでいただけて私のほうも嬉しかったです。この日紹介したことを参考に早速来月取り組んでみますということばのあって、本当に嬉しかったです。


412140099_6996274407121436_3210862085592474182_n足立区立中央図書館は北千住から歩いて10分強のところにあり、すぐそばを荒川が流れています。そして駅までの道は北千住の宿場町で風情のある建物が遺されています。(こちらの記事も参考に→「行ってみよう!楽しい街」2016)





412912644_6996274327121444_7376824203302880360_n2018年度にご依頼いただいて以来、毎年のように伺っていますが、この街の感じがとても好きなんです。
最後に名物の槍かけだんごを買って帰りました♪










412654556_6996273987121478_8102992794653401294_n午後は、数年ぶりにポプラ文庫のクリスマス会へ。







私とポプラ文庫との関係については→こちら


412880443_6996274443788099_9084314307467608093_n久しぶりにグランドメゾンのマルチルームに伺い、昔の仲間たちが楽しそうに人形劇をしているのを見て、とてもいいなあとほほえましく思いました。






412576918_6996274210454789_6436682955776850404_n私がポプラ文庫スタッフとして関わっていたころに、小さな子どものための絵本とわらべうたの会おはなしラッコに来ていた女の子が、高校生の素敵なお姉さんになっていて再会!というサプライズもあり、行ってよかった〜





412840242_6996274530454757_7542696495995273812_n絵本の会のメンバーが実施する人形劇も12月8日の絵本の会クリスマス会(様子はサブブログに→こちら)上達していて、参加した親子が夢中になっていました。

年内最後の授業「児童サービス論」

12月19日(火) 


今年度はサバティカル休暇を取っている東洋大学の准教授である友人の代務として、前期は司書教諭課程の「読書と豊かな人間性」を、後期は司書課程の「児童サービス論」を非常勤で教えています。後期は、2コマ、4限目は79名受講、6限目は13名受講、同じ授業をするのです。


この日、13回目の授業でした。15回で完結する授業なので、年明けにあと2回授業をしたら、私のお役目は終わります。


この日は、特別に支援が必要な子どもたちへの読書についてがテーマでした。

412414540_6989195927829284_6708002717253431407_n司書をしている友人が取り組んでいる豊島区の「りんごの棚」の事例や、近隣の図書館の「りんごの棚」のことを話したり、マルチメディアデイジーや点字絵本、布絵本の活動について、JBBYのバリアフリー絵本展のことや、てんやく絵本ふれあい文庫や、私も支援会員になっている札幌のふきのとう文庫の事例など詳細について授業で取り上げました。



スクリーンショット 2023-12-30 173243そして授業の最後の15分をもらって素話を語りました。






グリムの昔話6語ったのは、グリムの昔話から「こびととくつや」
クリスマスらしい昔話を、学生さんたち、すごく集中して聞いてくれました。
(テキストは『子どもに語るグリムの昔話6』こぐま社より)












412424760_6989196144495929_7379488093579718000_n授業を終えて校舎を出ると、キャンパス内もイルミネーションが!












412443772_6989196104495933_1590386165470729409_n
大学名のロゴは時間で色が変わっていく・・・






412569261_6989195951162615_3748932771859358367_nとてもおしゃれでした。







次年度は別の大学で司書課程「児童サービス論」を受け持つことになっています。どちらの大学も箱根駅伝常連校。で、もうひとつは長男の出身校でもあります。


これまで箱根駅伝は長男の出身大学をずっと応援してきましたが、今年は東洋大学も応援しようと思います。



記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

greenkakoをフォローしましょう
プロフィール

みどり

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ