2024年2月10日(土)14:00〜
あっという間に・・・1か月近くが経ってしまいました!
コロナ感染症のパンデミックで2020年以来実施されてこなかった「大人が楽しむおはなし会」が、方南図書館で開催されました。
私も、普段のおはなし会ではなかなか語ることのできない大好きなイギリスの昔話「赤鬼エティン」を語りました。
このおはなしに出会ったのは、もう17年ほど前・・・当時、末っ子が通っていた小学校のおはなし会ボランティアをしていました。この小学校では、一学期に1回、授業の時間をいただいて保護者ボランティアによるおはなし会を実施していました。(2019年度は会員募集を学校支援本部を通してやってますが、コロナ禍でどうなったのかな・・・→こちら)
今も続いているかは不明ですが、当時は必ずプログラムの中に素話を入れる事になっていました。
私も、学生時代から覚えたいくつかの持ちネタ(といっても、当時は数話でした)を、主に息子の学年の3クラスで語っていました。
息子たちが中学年になり、4年生の時に各学級でいわゆる学級崩壊のような状況が起きました。おはなし会に入ると、落ち着きのない子たちが数人いて・・・という中で、どんなおはなしを語るとよいのだろうと悩んでいたのです。
銀座教文館ナルニア国でおはなしのテキストを探している時に、当時店長をされていたTさんに学年の様子を話したうえで、どんなおはなしを語ったらよいでしょう?と尋ねたところ、お勧めされたのが「赤鬼エティン」だったのです。
しかし、当時私はフルタイムで勤めていて、このおはなしを覚えようとしていたのに、完全に自分のものにできないまま、息子も小学校を卒業してしまいました。
東京子ども図書館の37期のお話の講習会に通う中で、このおはなしを覚えて人前で語れるようになりました。今は、このおはなしが、自分にとってとても感情移入しやすい大事なものになっています。
あらすじはこんな感じ・・・
夫を早く亡くした母親が小さな畑を借りて息子二人を育てている・・・そのうち息子たちも大きくなり自立させる時がやってくる。
ひとり立ちする時に母親が持たせてやれるのは、息子が汲んできた水で焼いたパンのみ。息子が井戸で汲んでくる水の量で、そのパンの大きさも決まる。
その上、母親はパンを半分にしてその半分に母親の祝福をつけてもっていくか、丸ごと母親の呪いをつけてもっていくのか、選択するように迫ります。
長男のほうは、バケツに穴があいていようがお構いなし。汲んできた水の量が少なかったので小さいパンしか持たせてもらえません。旅先で食料を手に入れる当てもないと考え、母親の呪いで何が起きても構わないと言って半分を家に置いてくることはしなかったのです。
次男のほうは賢くバケツに穴が空いているのに気づいて粘土を穴につめて水くみに。そのため次男のパンはとても大きく、母親の祝福がついているほうが言って半分のパンをもらうのですが、それは兄のパンより大きい。余裕があるので、途中で出会った老婆にも分けてあげられる。
この老婆は実は妖精で、次男は魔法の杖を授けられ、困難を乗り越える方法まで伝授されます。
それぞれ兄弟は、赤鬼エティンの城へ導かれ、そこでエティンと向き合うことになるのですが、兄のほうはエティンに出された謎かけにも答えられず、石の柱に変えられてしまう。
物語は、のちに弟がエティンと対峙し、エティンを滅ぼして兄も救い出すのですが・・・兄と弟の違いがくっきりわかりやすく描かれたこの昔話に、子どもがどう自立していくのか、学ぶとはどういうことなのか、知恵を用いることの大切さ、母親との関係を良好に保つことの大切さなど、読んでいるとすごくいろいろな示唆に富み、味わい深いお話だなと思います。
おはなしの中に出てくる羊飼いの予言や、頭が三つもある怪物のエティンが出す3つの謎も、面白く・・・イメージを広げやすいおはなしですが、16分くらいかかるので、幼児や小学生学年の子が中心の図書館のおはなし会や、絵本の会では語れないなあ・・・と思っていたのです。
4年ぶりに「大人が楽しむおはなし会」が開催されることになったので、真っ先にこのおはなしを語りたいと申し出て、集まった方々の前で語ることができました。
この日のその他の演目は・・・
1.素話 くぎスープ(スウェーデンの昔話『世界のむかし話』のら書店
2.絵本 『狐の振袖』
3.素話 赤鬼エティン(イギリスの昔話『愛蔵版おはなしのろうそく8』東京子ども図書館)
〜休憩〜
4.詩 「春のうた」草野心平
詩 「くまさん」まどみちお
5.創作 お能の物語「羽衣」
4人で語って、ちょうど1時間半!後半のプログラムはKさんが詩の朗読とお能の「羽衣」を続けてやってくださいました。その世界にぐいぐい引き込まれて、聞き応えがありました。(一緒に語ったお仲間・・・私がこの図書館の司書をしていたころからのご縁です・・・画像は画素数を落としています)
帰り道、方南町に新しくできたカフェでほっと一息。コロナ禍を越えて、ふたたびこうして語ることができてうれしかったです
来年にむけて、私もまた新しいおはなしを覚えたいなと思っています。
あっという間に・・・1か月近くが経ってしまいました!
コロナ感染症のパンデミックで2020年以来実施されてこなかった「大人が楽しむおはなし会」が、方南図書館で開催されました。
私も、普段のおはなし会ではなかなか語ることのできない大好きなイギリスの昔話「赤鬼エティン」を語りました。
このおはなしに出会ったのは、もう17年ほど前・・・当時、末っ子が通っていた小学校のおはなし会ボランティアをしていました。この小学校では、一学期に1回、授業の時間をいただいて保護者ボランティアによるおはなし会を実施していました。(2019年度は会員募集を学校支援本部を通してやってますが、コロナ禍でどうなったのかな・・・→こちら)
今も続いているかは不明ですが、当時は必ずプログラムの中に素話を入れる事になっていました。
私も、学生時代から覚えたいくつかの持ちネタ(といっても、当時は数話でした)を、主に息子の学年の3クラスで語っていました。
息子たちが中学年になり、4年生の時に各学級でいわゆる学級崩壊のような状況が起きました。おはなし会に入ると、落ち着きのない子たちが数人いて・・・という中で、どんなおはなしを語るとよいのだろうと悩んでいたのです。
銀座教文館ナルニア国でおはなしのテキストを探している時に、当時店長をされていたTさんに学年の様子を話したうえで、どんなおはなしを語ったらよいでしょう?と尋ねたところ、お勧めされたのが「赤鬼エティン」だったのです。
しかし、当時私はフルタイムで勤めていて、このおはなしを覚えようとしていたのに、完全に自分のものにできないまま、息子も小学校を卒業してしまいました。
東京子ども図書館の37期のお話の講習会に通う中で、このおはなしを覚えて人前で語れるようになりました。今は、このおはなしが、自分にとってとても感情移入しやすい大事なものになっています。
あらすじはこんな感じ・・・
夫を早く亡くした母親が小さな畑を借りて息子二人を育てている・・・そのうち息子たちも大きくなり自立させる時がやってくる。
ひとり立ちする時に母親が持たせてやれるのは、息子が汲んできた水で焼いたパンのみ。息子が井戸で汲んでくる水の量で、そのパンの大きさも決まる。
その上、母親はパンを半分にしてその半分に母親の祝福をつけてもっていくか、丸ごと母親の呪いをつけてもっていくのか、選択するように迫ります。
長男のほうは、バケツに穴があいていようがお構いなし。汲んできた水の量が少なかったので小さいパンしか持たせてもらえません。旅先で食料を手に入れる当てもないと考え、母親の呪いで何が起きても構わないと言って半分を家に置いてくることはしなかったのです。
次男のほうは賢くバケツに穴が空いているのに気づいて粘土を穴につめて水くみに。そのため次男のパンはとても大きく、母親の祝福がついているほうが言って半分のパンをもらうのですが、それは兄のパンより大きい。余裕があるので、途中で出会った老婆にも分けてあげられる。
この老婆は実は妖精で、次男は魔法の杖を授けられ、困難を乗り越える方法まで伝授されます。
それぞれ兄弟は、赤鬼エティンの城へ導かれ、そこでエティンと向き合うことになるのですが、兄のほうはエティンに出された謎かけにも答えられず、石の柱に変えられてしまう。
物語は、のちに弟がエティンと対峙し、エティンを滅ぼして兄も救い出すのですが・・・兄と弟の違いがくっきりわかりやすく描かれたこの昔話に、子どもがどう自立していくのか、学ぶとはどういうことなのか、知恵を用いることの大切さ、母親との関係を良好に保つことの大切さなど、読んでいるとすごくいろいろな示唆に富み、味わい深いお話だなと思います。
おはなしの中に出てくる羊飼いの予言や、頭が三つもある怪物のエティンが出す3つの謎も、面白く・・・イメージを広げやすいおはなしですが、16分くらいかかるので、幼児や小学生学年の子が中心の図書館のおはなし会や、絵本の会では語れないなあ・・・と思っていたのです。
4年ぶりに「大人が楽しむおはなし会」が開催されることになったので、真っ先にこのおはなしを語りたいと申し出て、集まった方々の前で語ることができました。
この日のその他の演目は・・・
1.素話 くぎスープ(スウェーデンの昔話『世界のむかし話』のら書店
2.絵本 『狐の振袖』
3.素話 赤鬼エティン(イギリスの昔話『愛蔵版おはなしのろうそく8』東京子ども図書館)
〜休憩〜
4.詩 「春のうた」草野心平
詩 「くまさん」まどみちお
5.創作 お能の物語「羽衣」
4人で語って、ちょうど1時間半!後半のプログラムはKさんが詩の朗読とお能の「羽衣」を続けてやってくださいました。その世界にぐいぐい引き込まれて、聞き応えがありました。(一緒に語ったお仲間・・・私がこの図書館の司書をしていたころからのご縁です・・・画像は画素数を落としています)
帰り道、方南町に新しくできたカフェでほっと一息。コロナ禍を越えて、ふたたびこうして語ることができてうれしかったです
来年にむけて、私もまた新しいおはなしを覚えたいなと思っています。