9月15日(木) 19:00〜
教文館ナルニア国主催のオンライン講座が開催されました。
今回、私はZOOMのオンラインサポート係としてお手伝いをさせていただきました。
今、アーカイブ配信用の動画で再度、当日の講座を見ながらこのブログ記事を作成しています。
(アーカイブ動画は申し込まれた人のみが見られる有料動画で視聴期間は9月28日(水)までです。申し込まれた方はお忘れなく!)
私はZOOM開室から始まるまでの間の案内動画を画面共有すること、松岡先生と養女の恵実さんとの会話音声ファイルの共有をすること、そして講師の降矢ななさんが画面共有される際になにかあった時のバックアップ用にいつでも画面共有ができるよう待機するお役目でした。
当日参加されたり、アーカイブ動画を見た方は、降矢さんが「神保さ〜〜ん。動画お願いします。」と、声をかけてくださっていて、裏でどんなことをしているかおわかりになったと思います♪
今回のオンライン講座は、以下のような経緯があって開催されました。
7月12日(火)に、一時帰国中の降矢ななさんを講師に教文館ナルニア国でトークイベントが行われました。感染対策で定員が絞られていたため、参加が叶わなかった方々向けに当日の様子を録画してオンライン配信することになっていました。(その時の報告記事→こちら)
今年1月25日に亡くなられた松岡享子さんの遺作となった『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』(福音館書店 2022/4/10)を作ることになった経緯と、そしてコロナ禍で会えない中での本作りについて詳しくお話をしてくださいました。
この絵本作りのきっかけとなるのは、2020年2月9日(日)に行われた教文館ナルニア国での降矢ななさんと松岡享子さんとの対談です。この日、私も参加していました。(ブログ記事→こちら)
この講演会のあとに、松岡先生と降矢さんがティータイムをご一緒された時に、松岡先生から恵実さんのことを聞いて、そこから降矢さんと恵実さんとのご縁が出来たとのこと。そのあたりは、7月12日のブログ記事にも書いています。
その後、COVID19のパンデミックになり、ななさんはギリギリのタイミングでスロヴァキアへ戻られ今年の夏までは日本へ渡航出来なかったので、その時が松岡先生にリアルで会った最後だったとのこと。
松岡先生はそれからは感染症対策もあって蓼科にある山の家で恵実さんと一緒に過ごされていて、時々ななさんはメールで恵実さんとやりとりをされていたのです。
2020年春に教文館ウェンライトホールで行われていた降矢ななさんの原画展は4月の緊急事態宣言発出で中止になったのですが、翌2021年春に再度原画展が開かれました。
2021年の原画展では、その年の3月に出版された『ヴォドニークの水の館』(まきのあつこ/文 降矢なな/絵 BL出版 2021/3/10)の原画も追加されていました。
そこでそれに関連して5月1日にオンライントークイベント”教文館ナルニア国降矢なな展記念 降矢ななさん×鈴木加奈子さん(編集者)オンライン対談“ことばが、絵になり、動きだす――チェコの昔話『ヴォドニークの水の館』を中心に、絵本のこと色々。”が開催されました。
この時も私はオンラインサポートをしていました。(→こちら)打ち合わせのときに、松岡先生も山の家からZOOMに入ってくださるかもと聞いていたのです。
でも、その直前に松岡先生は転倒して腰椎の圧迫骨折をされていて、参加できなくなってしまったのでした。(骨折のことは東京子ども図書館季刊誌「こどもとしょかん2021夏170号」に掲載の松岡先生のエッセイ「ランプシェード」にも掲載され、それを読んでとても驚いたことを思い出します)
骨折で入院したあとに脳腫瘍がみつかり、松岡先生は積極的治療はしないと決意されました。(これに関しては「こどもとしょかん2021秋171号」の別刷「ランプシェード休載にあたり」でお知らせがありました。→こちら)
その病気がわかってから、恵実さんを通して降矢さんに「休んでいる間に思いついたことがあるのよ。こういうのを転んでもタダで起きないってことかしら?」と言って伝えて来られたのが、『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』の原案だったのです。
今回のオンライン講座では、その絵本の案について恵実さんに楽しそうに話す松岡先生の音声がシェアされました。その間、降矢さんが松岡先生から送られた「あたまをつかった小さなおばあさん」人形を画面に出してくださっていました。
そのおばあさんの人形が、まるで松岡先生のようで、数分の音声データでしたが、そこで松岡先生がおしゃべりしてくださっているように感じました。(ZOOMで音声のみを共有するというお役目でした。きちんと皆さんに聞こえているか、ドキドキでしたが、きちんとお役目を果たすことが出来ました)
また、この日のサプライズゲストとして松岡恵実さんが登場、松岡先生と降矢ななさんとのメールのやりとりの様子を語ってくださいました。
朝、起きて松岡先生の様子を見に行くと「来てる?来てる?」と、恵実さんに降矢さんからのメールの返信が来ているかどうか尋ねるのが習慣になり、降矢さんが次々に原画のイメージを送ると、「降矢さんって魔法使いみたいね」と喜ばれたとか。
恵実さんは、降矢ななさんとのやりとりや、それを編集する宇田さんとのやりとりを通して、ひとりで松岡先生を看護する日々を舟に例えると、両脇を並走してくれる船団のように感じたそうです。
一方で降矢さんにとっては、松岡先生の病気のことを知って時間はあまりないとわかっていたので、他の仕事を後回しにして、この絵本の絵を描くことに集中していらしたそうで、それはまるで急流に巻き込まれたボートのような日々だったそうです。
これは7月の講座でも仰っていたのですが、表紙の絵を最後の最後で差し替えることになった話や、ベッドルームのシーンで猫や犬を書き加えた話など、それぞれの絵を対比できるよう画面共有しながら、お話をしてくださいました。
ZOOMの画面には、降矢ななさんと宇田さんが左右に並び、その下に恵実さんの窓というように3人の方が並んでいました。
あとから、恵実さんから3人でまるでリアルでおしゃべりしているような気がしたと、お聞きしました。
まさに、和やかな雰囲気で、『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』が生まれていく過程をお話してくださったのでした。そしてその真ん中に、松岡先生もいてくださったのではと感じました。
後半は、ウクライナのことを絡めて、教文館ナルニア国で集まった義援金をどのようにスロヴァキアで使っているかを、画像を使って具体的に報告してくださいました。
ウクライナから避難してきている子どもたちのスロヴァキア語教室のために、またクラブ活動などのために使われるそうです。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は半年を越え、季節は秋から冬へと移行していきます。
長期化によりスロヴァキアからウクライナへ戻っていった家族もいたり、他の国へ移動した家族もいるそうですが、スロヴァキアに残ってそこで学び続けようとしている子どもたちも人数は少なくなったけれどいるので、引き続き支援していきたいと仰っていました。
なにより長期化で関心が薄れて、支援が届かなくなることが問題なので、関心を持ち続けてほしいということでした。
最後にもう一度、降矢ななさんと宇田さん、恵実さんが登場して、質疑応答タイム。その時には恵実さんも松岡先生手作りのおばあさん人形を画面に出してくださいました。これらのお人形、ティーコゼーになっているんですよね。
毎朝、紅茶を淹れて、このお人形を松岡先生だと思って語りかけていると話される恵実さん。まだ大事な松岡先生を看取られてから9カ月。まだまだ寂しさも大きいと思います。
これもあとからお聞きしたのですが、これから少しずつ松岡先生が遺されたものを整理して、いつかきちんと発表が出来ればいいけれど・・・とのこと。
そのことを、松岡先生が温かく天国から見守ってくださっているんだなと確信出来ました。
ZOOMを使った講演会のオンラインサポートをさせていただくことで、より深くお話に耳を傾けることが出来て感謝でした
そんなお手伝いの機会を与えてくださった教文館ナルニア国のみなさまにもお礼申し上げます。
教文館ナルニア国主催のオンライン講座が開催されました。
今回、私はZOOMのオンラインサポート係としてお手伝いをさせていただきました。
今、アーカイブ配信用の動画で再度、当日の講座を見ながらこのブログ記事を作成しています。
(アーカイブ動画は申し込まれた人のみが見られる有料動画で視聴期間は9月28日(水)までです。申し込まれた方はお忘れなく!)
私はZOOM開室から始まるまでの間の案内動画を画面共有すること、松岡先生と養女の恵実さんとの会話音声ファイルの共有をすること、そして講師の降矢ななさんが画面共有される際になにかあった時のバックアップ用にいつでも画面共有ができるよう待機するお役目でした。
当日参加されたり、アーカイブ動画を見た方は、降矢さんが「神保さ〜〜ん。動画お願いします。」と、声をかけてくださっていて、裏でどんなことをしているかおわかりになったと思います♪
今回のオンライン講座は、以下のような経緯があって開催されました。
7月12日(火)に、一時帰国中の降矢ななさんを講師に教文館ナルニア国でトークイベントが行われました。感染対策で定員が絞られていたため、参加が叶わなかった方々向けに当日の様子を録画してオンライン配信することになっていました。(その時の報告記事→こちら)
しかし当日の録画配信は機材の都合で出来なくなってしまい、そこでスロヴァキアに戻られた降矢ななさんとオンラインでつないでのオンライントークイベントを開催することになったのでした。
今回の講座「“一粒のえんどうまめから。そして隣国の戦争のこと”」は、福音館書店の編集者宇田純一さんがスロヴァキアにいるななさん聞き手になって、進められました。
今回の講座「“一粒のえんどうまめから。そして隣国の戦争のこと”」は、福音館書店の編集者宇田純一さんがスロヴァキアにいるななさん聞き手になって、進められました。
今年1月25日に亡くなられた松岡享子さんの遺作となった『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』(福音館書店 2022/4/10)を作ることになった経緯と、そしてコロナ禍で会えない中での本作りについて詳しくお話をしてくださいました。
この絵本作りのきっかけとなるのは、2020年2月9日(日)に行われた教文館ナルニア国での降矢ななさんと松岡享子さんとの対談です。この日、私も参加していました。(ブログ記事→こちら)
この講演会のあとに、松岡先生と降矢さんがティータイムをご一緒された時に、松岡先生から恵実さんのことを聞いて、そこから降矢さんと恵実さんとのご縁が出来たとのこと。そのあたりは、7月12日のブログ記事にも書いています。
その後、COVID19のパンデミックになり、ななさんはギリギリのタイミングでスロヴァキアへ戻られ今年の夏までは日本へ渡航出来なかったので、その時が松岡先生にリアルで会った最後だったとのこと。
松岡先生はそれからは感染症対策もあって蓼科にある山の家で恵実さんと一緒に過ごされていて、時々ななさんはメールで恵実さんとやりとりをされていたのです。
2020年春に教文館ウェンライトホールで行われていた降矢ななさんの原画展は4月の緊急事態宣言発出で中止になったのですが、翌2021年春に再度原画展が開かれました。
2021年の原画展では、その年の3月に出版された『ヴォドニークの水の館』(まきのあつこ/文 降矢なな/絵 BL出版 2021/3/10)の原画も追加されていました。
そこでそれに関連して5月1日にオンライントークイベント”教文館ナルニア国降矢なな展記念 降矢ななさん×鈴木加奈子さん(編集者)オンライン対談“ことばが、絵になり、動きだす――チェコの昔話『ヴォドニークの水の館』を中心に、絵本のこと色々。”が開催されました。
この時も私はオンラインサポートをしていました。(→こちら)打ち合わせのときに、松岡先生も山の家からZOOMに入ってくださるかもと聞いていたのです。
でも、その直前に松岡先生は転倒して腰椎の圧迫骨折をされていて、参加できなくなってしまったのでした。(骨折のことは東京子ども図書館季刊誌「こどもとしょかん2021夏170号」に掲載の松岡先生のエッセイ「ランプシェード」にも掲載され、それを読んでとても驚いたことを思い出します)
骨折で入院したあとに脳腫瘍がみつかり、松岡先生は積極的治療はしないと決意されました。(これに関しては「こどもとしょかん2021秋171号」の別刷「ランプシェード休載にあたり」でお知らせがありました。→こちら)
その病気がわかってから、恵実さんを通して降矢さんに「休んでいる間に思いついたことがあるのよ。こういうのを転んでもタダで起きないってことかしら?」と言って伝えて来られたのが、『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』の原案だったのです。
今回のオンライン講座では、その絵本の案について恵実さんに楽しそうに話す松岡先生の音声がシェアされました。その間、降矢さんが松岡先生から送られた「あたまをつかった小さなおばあさん」人形を画面に出してくださっていました。
そのおばあさんの人形が、まるで松岡先生のようで、数分の音声データでしたが、そこで松岡先生がおしゃべりしてくださっているように感じました。(ZOOMで音声のみを共有するというお役目でした。きちんと皆さんに聞こえているか、ドキドキでしたが、きちんとお役目を果たすことが出来ました)
また、この日のサプライズゲストとして松岡恵実さんが登場、松岡先生と降矢ななさんとのメールのやりとりの様子を語ってくださいました。
朝、起きて松岡先生の様子を見に行くと「来てる?来てる?」と、恵実さんに降矢さんからのメールの返信が来ているかどうか尋ねるのが習慣になり、降矢さんが次々に原画のイメージを送ると、「降矢さんって魔法使いみたいね」と喜ばれたとか。
恵実さんは、降矢ななさんとのやりとりや、それを編集する宇田さんとのやりとりを通して、ひとりで松岡先生を看護する日々を舟に例えると、両脇を並走してくれる船団のように感じたそうです。
一方で降矢さんにとっては、松岡先生の病気のことを知って時間はあまりないとわかっていたので、他の仕事を後回しにして、この絵本の絵を描くことに集中していらしたそうで、それはまるで急流に巻き込まれたボートのような日々だったそうです。
これは7月の講座でも仰っていたのですが、表紙の絵を最後の最後で差し替えることになった話や、ベッドルームのシーンで猫や犬を書き加えた話など、それぞれの絵を対比できるよう画面共有しながら、お話をしてくださいました。
ZOOMの画面には、降矢ななさんと宇田さんが左右に並び、その下に恵実さんの窓というように3人の方が並んでいました。
あとから、恵実さんから3人でまるでリアルでおしゃべりしているような気がしたと、お聞きしました。
まさに、和やかな雰囲気で、『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日』が生まれていく過程をお話してくださったのでした。そしてその真ん中に、松岡先生もいてくださったのではと感じました。
後半は、ウクライナのことを絡めて、教文館ナルニア国で集まった義援金をどのようにスロヴァキアで使っているかを、画像を使って具体的に報告してくださいました。
ウクライナから避難してきている子どもたちのスロヴァキア語教室のために、またクラブ活動などのために使われるそうです。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は半年を越え、季節は秋から冬へと移行していきます。
長期化によりスロヴァキアからウクライナへ戻っていった家族もいたり、他の国へ移動した家族もいるそうですが、スロヴァキアに残ってそこで学び続けようとしている子どもたちも人数は少なくなったけれどいるので、引き続き支援していきたいと仰っていました。
なにより長期化で関心が薄れて、支援が届かなくなることが問題なので、関心を持ち続けてほしいということでした。
最後にもう一度、降矢ななさんと宇田さん、恵実さんが登場して、質疑応答タイム。その時には恵実さんも松岡先生手作りのおばあさん人形を画面に出してくださいました。これらのお人形、ティーコゼーになっているんですよね。
毎朝、紅茶を淹れて、このお人形を松岡先生だと思って語りかけていると話される恵実さん。まだ大事な松岡先生を看取られてから9カ月。まだまだ寂しさも大きいと思います。
これもあとからお聞きしたのですが、これから少しずつ松岡先生が遺されたものを整理して、いつかきちんと発表が出来ればいいけれど・・・とのこと。
そのことを、松岡先生が温かく天国から見守ってくださっているんだなと確信出来ました。
ZOOMを使った講演会のオンラインサポートをさせていただくことで、より深くお話に耳を傾けることが出来て感謝でした
そんなお手伝いの機会を与えてくださった教文館ナルニア国のみなさまにもお礼申し上げます。