みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて35年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪ noteも書いています(https://note.com/child_books/)

2018年05月

くまのパディントン展とチャペック兄弟と子どもの世界展へ

5月3日(木)

午後、絵本友達のN子さんとY子さんと渋谷Bunkamuraにて待ち合わせをして、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のくまのパディントン展を見に行きました。

あっ、でもね。食いしん坊の私たちはまずはカフェ・ドゥ・マゴでランチしました。

IMG_1197
こんな感じで^^

まずはここで情報交換。とくにY子さんの会うのは、昨年5月にうちに遊びに来ていただいて以来かなぁ〜いや、どっかの講演会でニアミスはしているけれど、ゆIMG_1198っくりおしゃべりするのは、1年ぶり〜

というわけで、まずはいっぱいおしゃべりをしました。




ところでこの日、ミュージアムに降りるエスカレーター前で、友人たちを待っている時に、展覧会を見終わったカップルに「もう、これ有効期限がまもなく終了するのでもらってください」と株主優待の招待券をいただいたのです。なんとラッキーなことに・・・
20180503パディントン展4

←のパンフレットの下の方にある折りたたんだあとがあるのが、いただいた招待券。

名前も知らない方々からのサプライズプレゼントでした。

私のブログをその方々が見る可能性は0だろうけど、ここで改めて感謝の気持ちをお伝えします。ありがとうございましたIMG_1204


くまのパディントン 全7巻セット
ペギー フォートナム
福音館書店
1989-09-05





うちにある『くまのパディントン』は、福音館書店刊の松岡享子訳のもの。絵はペギー・フォートナム。

そして絵本版で偕成社から出ていた『くまのパディントン』中村妙子訳でフレッド・バンベリーの絵のもの。

この2種類のパディントンしか知らなかったので、今回の展覧会でもっとたくさんの方が、パディントンの絵を描いているということに気が付きました。でも、やっぱり子ども時代に印象に残った絵が、心地よく感じてしまいます。

きっと理論社のR・W・アリーの挿絵絵本(木坂涼訳)で育った世代は、そっちの絵でイメージ作るのでしょうね。

なんといっても、身寄りのないくまが、駅でブラウンさん一家に引き取られることになるという設定た、その後パディントンがとんでもない失敗をするのに、それをブラウン一家がすごく温かく見守っているところなどが、「守られているんだ」っていう安心感を子ども心に覚えていました・・・時代を超えて多くの人に読み継がれていくといいなって思いました。



クマのパディントン
マイケル ボンド
理論社
2012-09-01



図録も購入して、じっくり絵を見比べて、ほっこりしています。



パディントン展を見終わったあと、お二人とわかれて私はひとりで松涛美術館へ移動。
20180503パディントン展6

チャペック兄弟と子どもの世界展」も見て来ました。
20180503パディントン展5


20世紀初頭にチェコでキュビズム画家として活躍した兄ヨゼフ・チャペックと、文筆家だった弟カレル・チャペックの作品を、こうしてまとめて見られるなんて!と感激でした。

素朴で力強い絵、とくに子ども達を描いた絵はどれも、対象に向けた愛情を感じました。


子どもの世界は私たちの世界そのもの、
でもそれは私たちの世界より美しく、
充実していて、驚きにあふれている
・・・」ヨゼフ・チャペック(1918年)

私は今なお、謎の世界を知る子どものままだ」カレル・チャペック(1934年)




長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 (002))
カレル・チャペック
岩波書店
2000-06-16


子どもの頃の純粋さをそのまま持ち続けたんんだろうなと、と原点に立ち返ることができました。

のまりんの紙芝居劇場と、『花ばあば』のこと

気が付くと5月も終わろうとしています。

日記を遡ると、5月もほんとうにいろいろあったのにブログの記事に起こせてませんでした。ここ3年は同じようなパターンで、ひと月分の絵本関連イベントをまとめて記すことが続いています。

あとで振り返る時、記事のタイトル検索ではみつからないこと多々あり。というわけで、数日にわけて5月を振り返ってみます。

でも、その前に4月29日(日)のことを記しておきます。

まずは午前中、初夏を思わせるような青空の中、自転車で新宿区のとある図書館で行われた「のまりんの紙芝居劇場」へ。
20180429のまりん西落合

ここの図書館では、図書館の前庭で紙芝居劇場が行われています。20180429のまりん紙芝居2

直射日光が射す中、1時間。老若男女問わずみんな笑顔になって、紙芝居の魅力に引き込まれました。

やっぱりのまりんの紙芝居は面白い。子ども達を惹きつける力を持っていると感じました。
なつかしい方々にも再会できてうれしかったです♡


終了後、一旦自転車で阿佐ヶ谷に戻って、神保町ブックハウスカフェへ。『花ばあば』発行記念のトークイベントに参加してきました。

花ばぁば
クォン・ユンドク
ころから株式会社20180429花ばあば8
2018-05-02




当初、童心社から10冊出ている日中韓平和絵本として出版される予定だった絵本です。日中韓平和絵本は戦争を体験した絵本作家浜田桂子さん、和歌山静子さん、田島征三さんたちが韓国、中国の絵本作家との交流を通して、次の世代へ平和な時代を手渡したいと、歴史と向き合い、日中韓双方の国で出版することを前提に、参加した絵本作家が作成しました。ところがクォン・ユンドクさんの描く日本軍慰安婦をテーマにした絵本だけは、このシリーズから出すことが出来ませんでした。韓国では出版されて版を重ねているこの美しい絵本を、なんとかして日本でも出版したいと、田島征三さんがクラウドファンディングで呼びかけ、多くの人の支援を受けて、この度新興の小さな出版社から出版されました。

20180429花ばあば
 昨年は#MeToo運動が世界的に広がりをみせ、また世界各地でイスラム過激派による女子学生襲撃事件も繰り返されており、若い女性には関心のあるテーマです。日本人としてデリケートな問題を含んでいますが、この問題を正面から直視することは大切です。近年、ナチスドイツによるホロコーストをテーマに扱った児童書がたくさん出ています。それはドイツが第二次世界大戦後に自分たちの犯した過ちをきちんと受け止め総括しているからともいえます。一方で日本ではこの問題を無かったかのように扱う勢力があって、過去の清算が中途半端に終わっています。20180429花ばあば3
 

20180429花ばあば7

ユンドクさんの来日に合わせた講演会で話されていたのは、日本を責めるものではなく客観的な事実に基づいて文章が練られ、戦争というものの愚かさを伝えています。絵は柔らかくとても美しい絵本です。YA世代にぜひ手渡していきたい1冊と考えています。

美しい絵本です。まだ手にしてない方は、ぜひ手に取って読んでみてください。

蝶の来る庭が憧れだった人へ…結婚記念日に

ジャカランダの花
5月3日…結婚記念日です。32年めの。

でも、相方と一緒に記念日を祝えたのは3年前の2015年5月3日が最後になった。その17日後には帰らぬ人になってしまったから。



2015年5月3日は、私はロサンゼルス郊外のパサデナにいて、夫をパサデナの家で看護をしていた。40度以上の高熱と35度以下の急激な低体温を一日のうちに数回繰り返し、シーツを一日何度も取り替えていた。今となっては、末期癌による症状だったんだけど、その数日前にホームドクターに相談に行ったら、新しい抗がん剤治療による副作用だからって言われたんだったよね。

パサデナの街

ちょうどDAVISから次女が私たちの結婚記念日を祝うために、6時間ドライブしてパサデナに来てくれていたんだけど、ほぼ夫はベッドに伏せっていた。それでも次女と一緒にケーキを買ってきて、結婚記念日のお祝いをして(夫は一口食べて戻した)、でも夫はちゃんとティファニーのコインケースをプレゼントとして用意してくれていた。(3月上旬に一時帰国した時のJAL機内販売らしいけれど)嬉しかった。



その日撮った画像を見てみると、パサデナの街のジャカランダの並木を撮っていた。次女に買い物に連れ出してもらった時に撮ったもの・・・LAの真っ青な空が目に眩しかったな。

(次女は翌5月4日に大学に戻ったけれど、7日に夫が緊急入院したので、大学を休学して8日にまた6時間のロングドライブをして帰ってきてくれた。夫の入院中はサンタモニカのUCLAの病院まで毎日次女の運転で通った)




あれから3年か・・・




結婚記念日の今朝、NHKの番組「オーレリアンの庭」を見た。昆虫写真家今森光彦さんの里山暮らしの四季を紹介する55分番組だった。
標本1
夫も虫屋。そう蝶好きが高じて、学会誌に投稿するほどにだった。

うちには夫の蝶の標本がいくつも残ってる。三角紙に包んだままで標本に出来てない蝶も手をつけられていない・・・



たぶん、アメリカで採集した貴重な蝶も含まれているんだろうけれど、私たち家族には標本化出来る者はいないから、いずれ蝶仲間の方々に引き取ってもらうのがいいのかもしれないな。



忙しい人だったけれど、引退後の夢は八ヶ岳が見える丘に蝶の来る庭を作ることだったし、私にはそこ標本2で絵本カフェでもやればって言っていた。といっても、これはかれこれ20年以上前の話で、ロサンゼルスで仕事をするようになってからは、もう老後はこっちがいいなぁと言っていた。

(4人の子どもの教育費で、実現する原資がなくなったってことも、たぶんある)


私は、「英語できひんから、LAで老後過ごすのは、いやや」って冗談で言っていたんだけど。


今森さんが講師を務めるクレヨンハウス「子どもの本の学校」には夫も参加して、今森さんの『世界昆虫記』にサインしてもらって喜んでたなあ。
世界昆虫記 (写真記シリーズ)
今森 光彦
福音館書店
1994-04-30




うちの狭い庭に「サンショウ」の苗を植えて、嬉しそうに「これは蝶の食草だからね」って言っていたのを思い出す。



番組を見ながら、夫の遺影に、「ねっ、こんな庭、作りたかったんだよね〜」って声をかけるけれど、返事がないのが寂しい。でも絶対言ってる!「ママ、ママ、こんな生活したかった。理想だよな〜自分の庭で蝶採集できるなんて、すごいよな」って。


さとやまさん

そういえば3月25日に今森光彦さんと工藤直子さんのトークショー@代官山蔦屋書店に行ってきたんだった。


3月の絵本イベントとしてブログに記録しそびれていたな。




おふたりの対談聞きながら、また里山の様子をスライドで見せていただきながら、なんかすっぽり自然を満喫できる体験旅をしたくなった・・・

さとやまさん
工藤 直子
アリス館
2018-03-23


観光地ではなく、のんびりと田舎の道を歩きたくなった。無性に。そんな結婚記念日の一日。
 
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