みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて35年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪ noteも書いています(https://note.com/child_books/)

2013年07月

ててん茶話会へ

ててん17月15日(月) 午後2時〜 @ちひろ美術館・東京

降矢奈々さんが呼びかけて始まった「From Hand to Hand 手から手へ ―絵本作家から子どもたちへ 3.11後のメッセージ―」展の中のイベント、「ててん茶話会」へ行ってきました♪

「手から手へ」展は、6月8日(土)に開催された「手から手へフォーラム」以来2回目♪ その時の様子は→こちら

15日の「ててん茶話会」は、岡田千晶さん、渡邊智子さん、藤本将さんがゲストでした。

岡田さんの絵本は、目白にあるブックギャラリー・ポポタムであった新進絵本作家さんたちの絵本原画展CONNECTで出会って、その時にサインしていただいたご縁があります。とても優しい色合いとタッチで、幼い子ども達が抱く不安や願い、そして抱きしめてもらえる安心感を余すことなく描いていらっしゃいます。
だいすきのしるし (えほんのぼうけん)だいすきのしるし (えほんのぼうけん) [大型本]
著者:新井悦子/岡田千晶
出版:岩崎書店
(2012-06-25)
ぽっつん とととは あめの おと (PHPにこにこえほん)ぽっつん とととは あめの おと (PHPにこにこえほん) [単行本]
著者:戸田 和代
出版:PHP研究所
(2012-06-19)
ちひろ美術館のHPで、この日の茶話会は岡田さんだと知って伺いました。ててん2
同様にポポタムでお目にかかっていた渡邊さんの絵本や藤本さんの絵本、どれも素敵でした。絵本制作について3人の方から伺いながら、また「手から手へ」展への参加のいきさつ出品作品への思いなどを、ほんとうに身近で聴くことができて幸せでした。

絵本を描くということの意味。子ども達への思い、3.11の後どのように向き合って、作品を作ってこられたか・・・

それは子ども達にどんな未来を手渡したいか、絵本作家自身の生き方がそのまま投影されるんだということでした。真摯に向き合っているからこそ伝わってくるメッセージ。手から手へ・・・その意味を感じることのできる茶話会でした。

後半は、アートを語る元芸人、アート・テラーとに〜のさんとそのグループの方々が加わって、最初数人だったお茶会が20人規模に!とに〜のさん、ひとりでしゃべりすぎでした。アート・テラーという仕事があることも驚きでしたが、その主宰する美術館ツアーにネットで知った見知らぬ同士の老若男女がこんなに参加されているというのも驚きでした^^つまりは美術館オフ会ですね♪

前回に引き続いて、茶話会の後は「手から手へ」展の一枚一枚の絵をじっくりゆっくり鑑賞しました
 

親子読書会でブックトークを♪

7月14日(日) 14:00〜 @世田谷・砧図書館

今年も砧図書館を会場に、親子読書会タイムマシングループの6年生の子ども達にブックトークをしてきました♪

4年生の時にはじめてブックトークをして以来、今回で3回目。

1回目は、2012年1月。日野原先生の『十歳のきみへ』をテーマに行いました。

5年生になってからの2回目は昨年の12月9日でした。この時のテーマは『蜘蛛の糸』芥川龍之介の本から始まって、田島征彦の『じごくのそうべい』、そしてクモの糸を科学的に見ていくために『ふしぎいっぱい写真絵本 クモのいと』など何冊かの写真絵本、そして岩波ジュニア新書の『クモの糸の秘密』などの本に繋げたのでした。
この時の様子は、ちょうど前のノートPCが調子悪くなっていたり、バタバタと忙しかったこともあって、ブログに書きそびれていました。

さて、今回のテーマ本は『ぼくらのサイテーの夏』・・・そこから広げたテーマは「一生の宝物・・・友情」
ぼくらのサイテーの夏 (わくわくライブラリー)ぼくらのサイテーの夏 (わくわくライブラリー) [単行本]
著者:笹生 陽子
出版:講談社
(1996-06)
そうそう、親子読書会でのブックトークは、参加する子ども達向けの課題図書は親子読書会のお母さんたちが決めます。その課題本についての感想を述べ合ったあとに、私から関連する数冊の本を紹介していくのです。

課題本に合わせて、その年代の子ども達に手渡したい本を選ぶのは、いつものブックトークの組み立てと違って、それはそれで面白いものです。

今回は、お母さんたちの要望で思春期の指針になる本を・・・と言われ、結構悩みました。そこで、子どもたちが親離れをしたあと、自分たちを支えてくれるもの、友情についての本を紹介することにしました。思春期の友人関係ってかなり重要な位置を占めます。どんな友達と付き合うか、その交友関係がその後の進路をも左右することがあるのも思春期だからです。

一生の宝となるような友情について考えてほしいと思い、課題本以外に選んだのは次の4冊。
王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574) [文庫]
著者:トンケ・ドラフト
出版:岩波書店
(2005-11-17)
王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575) [文庫]
著者:トンケ・ドラフト
出版:岩波書店
(2005-11-17)
ジーンズの少年十字軍〈上〉 (岩波少年文庫)ジーンズの少年十字軍〈上〉 (岩波少年文庫) [単行本]
著者:テア ベックマン
出版:岩波書店
(2007-11-16)
ジーンズの少年十字軍〈下〉 (岩波少年文庫)ジーンズの少年十字軍〈下〉 (岩波少年文庫) [単行本]
著者:テア ベックマン
出版:岩波書店
(2007-11-16)
モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37) [単行本]
著者:ミヒャエル・エンデ
出版:岩波書店
(1976-09-24)
生きる わたしたちの思い生きる わたしたちの思い [単行本]
著者:谷川 俊太郎 with friends
出版:角川SSコミュニケーションズ
(2008-07-30)
どんな困難なことがあっても、心から理解し合える友達がいれば乗り越えられること、それは時代を超えても同じであることを『王への手紙』で伝え、『ぼくらのサイテーの夏』の主人公が飛び降りたのは階段だったけれど、もしタイムマシンで飛び降りた先が今から数百年前の世界だったら?という話から、『ジーンズの少年十字軍』へ。

それから、本当の友情に大事なことは相手の話にじっと耳を傾けることから・・・ということで『モモ』を紹介。

その後、谷川俊太郎の詩『生きる』を朗読し、生きるということは、そのまま悩んだり、悲しんだり、笑ったりすること、その時に一緒に泣いたり笑える友達がいてほしいねと、詩の内容を分かち合い、その後それぞれに続きの詩を作ってもらいました。

3年生の時は、おはなし会でこのメンバーの子ども達に出会い、4年生からは毎年ブックトークで彼らの成長を見て来ました。メンバーのほとんどが来春中学受験をするのだそう。これから忙しい夏が待っているけれど、大事なことを見失わずに、思春期をしっかりと歩んでいってほしい。そう願いながらブックトークをしてきました♪

LEO LIONNI展へ

7月14日(日) 11:00〜

レオニ2クレヨンハウスでの「原子力とエネルギーを学ぶ朝の教室」を終えて、道玄坂BUNKAMURAで開催中の「レオ・レオニ絵本のしごと」を見に立ち寄りました。

午後は世田谷親子読書会でブックトークをすることになっており、短時間で観ることになってしまいましたが、レオ・レオニの仕事のユニークさに触れて、改めてすごい絵本作家だったんだなぁと思いました。

レオ・レオニは1910年オランダ・アムステルダム生まれのユダヤ人。1939年にアメリカに亡命しているのですが、オランダのユダヤ人と言えばアンネ・フランク。レオニももしかするとナチス・ドイツのホロコーストの犠牲になっていたかもしれないと思うと、優れた才能が亡命によって救われたことを嬉しく思いました。

今もロングセラーとして読まれている絵本『あおくんときいろちゃん』は、子どもの絵本に抽象概念を持ち込んだもので、衝撃的でした。
あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本) [ハードカバー]
著者:レオ・レオーニ
出版:至光社
(1984-01)






文庫活動の中でもレオ・レオニの絵本は人気が高く、貸出もコンスタントです。
スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなしスイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし [ハードカバー]
著者:レオ・レオニ
出版:好学社
(1969-04-01)


子ども達の国語教科書に掲載されていた『スイミー』はもちろんのことですが、うちの子たちが「読んで!」とよく持って来ていたのは、『せかいいちおおきなうち』
せかいいちおおきなうち―りこうになったかたつむりのはなしせかいいちおおきなうち―りこうになったかたつむりのはなし [大型本]
著者:レオ・レオニ
出版:好学社
(1969-04-01)
「うどのたいぼく」っていう人生訓を子ども達につたえるかたつむりのお父さんが好きだったなぁ

『はまべにはいしがいっぱい』『びっくりたまご』『フレデリック』『ひとあしひとあし』『じぶんだけのいろ』『コーネリアス』『さかなはさかな』などなど、たくさん読んだ絵本の原画をたっぷり観ることが出来て幸せでした。

レオ・レオニが以前インタビューに答えたこのことばが・・・印象的でした。

―では、文明社会を築きあげようと思えば、個人として自己認識がひつようになる・・・

そう、与えられたものは、だれかが心をこめてつくったのだということを、子どもたちがわかるようにしてやることが、とても大切です。ちゃちな絵をちゃちな紙にちゃちに印刷し、すぐにばらばらになってしまうようなちゃちな漫画本ばかり与えていれば、子どもは行動の質などに気にかけない、物事をうまくやりとげたことに喜びも感じない人間に成長するでしょうが、そうなっても私たちは文句はいえないわけです。洗練された環境を提供することが重要です。子どもたちには、いい図書館やいい学校が与えられなくてはなりませんし、その学校は文明国の人が住むに適した町になくてはなりません。

(太字部分 『レオ・レオニ絵本のしごと』展図録p136より

そう、ほんとうにその通り。私たちは子ども達に洗練された絵本や児童文学作品を提供しなければならないのでレオニ1す。そういう使命を再認識した展覧会でした。

どの絵にも、それぞれ手法が違うものの、レオニのそうした願いが込められていることを感じることができました。

Morning Study of Silent Spring @クレヨンハウス

7月14日(日) 9:00〜 @クレヨンハウス

久しぶりにクレヨンハウスの「原発とエネルギーを学ぶ朝の教室」Morning Study of Silent Springに行ってきましクレヨンハウス714た。実に37回目なんだとか・・・

私が行けたのは、2011年の第1回目(上田昌文さん)と3回目(広河隆一さん)・・・それ以降この会は人気が高くなり、申し込みに外れたりしているうちに足が遠のいでいました。

今回の講師は、3月末までNHKのキャスターをしていた堀潤さん。
2010年から2012年3月まで放送されていた夜の番組「Bizスポ」のキャスターとして全国区に現れた時は、なんて端正でお洒落なキャスターだろうと思いました。

その堀潤さんをtwitterでフォローしたのは、震災直後。被災地の情報などを的確にタイムリーに発信されていたからです。そしてNHKはもちろん主要メディアが伝えないことを、そこでは発信してくださっていたので、気骨のある方だとますます注目していたのですが、彼自身はNHKの表舞台から降ろされていて、LAへ研修へ・・・

ご本人の口から、何があったのか、そしてそれが原発問題についての情報発信の内容とどう関係があったのか聞きたかったのです。

主要メディアでは決して知らされていない事実が、この教室では彼自身の言葉で語られました。その内容は衝撃的なこともたくさん含んでいました。特に原発事故とその後の福島での混乱ぶり、情報操作されて知らされていない真実を・・・
たとえば3.11のその日のうちに東電福島原発の社員の家族は大型バスが何台もやってきて避難していたという事実。その時間帯はテレビの画面では当時の民主党政権枝野官房長官が「ただちに健康には影響しない」と、とにかくパニックにならないように、非常に抑えた報道が繰り返されていたのです。

堀潤さんの報道の姿勢はどこから来たのか・・・それは立教大学の文学部でプロパガンダについて学んだことにあるということが、今回のお話でわかりました。高校生時代にカフカの『変身』を読んだことがきっかけになり、ドイツ文学を専攻。その中でナチスドイツと戦時下の日本のプロパガンダの比較研究と、戦後のメディアがそれをどう検証したか・・・そういう学びをしてきた背景があったのかと納得がいきました。

もっともっとたくさんの隠されていた事実のお話がありましたが、ここに書くのは差し控えておきます。

堀さんは「Bizスポ」キャスターを降りた後、LAのUCLAに研究員として渡ります。ちょうどその時にCAにあるサン・オノフレ原発で水漏れを起こした事故を追っています。サン・オノフレ原発は廃炉されることになり、その保障を日本の企業に求めてきている・・・なんていうのも、日本の一般市民は詳細を知らされていない・・・そうしたところを埋めてくれる情報発信はとても貴重だと思います。


こちらは堀さんが、NHKを退職された後、始められた市民ニュースサイト8bitNewsです。

若いジャーナリストとしての堀潤さんの今後の活躍に注目し、応援したいと思いました。

英語ソムリエ・ジュニア講座へ

7月13日(土) 13:00〜 @神保町

英語ソムリエアカデミーのジュニア講座(6回連続)の5回目に参加してきました。

Ms.Miyukiが主宰する英語ソムリエアカデミーは、英語で絵本を読んで聞かせることを通して、英語でのコミュニケーションを楽しみ、そこからグローバルな視野をもった子育てをという提案をしています。
早期教育として教え込む英語ではなく、徹底的に絵本の世界を楽しむという切り口は新しい試みかもしれません。

この考え方、うちの弟が子ども時代に参加していた「ラボ・パーティー」などのコンセプトに似ているところもありますが、英語ソムリエアカデミーは絵本を読んであげる親や先生向けの講座。そして徹底的な発音矯正をするというところが、違うといえるでしょう。
「耳から聴く」ことの大切さ、そして「選書」の大切さを明確にしているあたり、私の文庫活動や図書館に関わる研修の仕事とも共通している部分です。

今回、私はこのジュニア講座に参加してみてよかったのは、、アルファベットが表音文字であることを認識し、発英語ソムリエ音について理論的に教えてもらったということでした。私の中学、高校時代の英語って、発音に関しては、まだ「フォニックス理論」なども取り入れられてなく「ディス イズ ア ペン」「アイ アム ア ガール」と完全にローマ字を読んでカタカナ英語発音だったのです。

長年染み付いてしまった発音の悪さは、過去9年の海外生活を通しても・・・というか、香港とシンガポールというアジア圏だったということもあり、そういう発音でもなんとなく通用してしまったということもあってまったく変わらずでした。
今回のジュニア講座で、音をどのように発音するのか、口の形は?その時の舌の位置は?など、徹底的に教えてもらい、それを英単語を読む時にあてはめていくという作業を通して、今までよくわかっていなかった「どう発音するの?」という疑問点が払拭されたのです。そして不思議なことに、英語の歌を聞いていて、単語が浮かび上がって聞こえるように〜それまでは、英語の単語が繋がってひと塊りに聞こえてきて、いちいち歌詞カードを確認しないと、何を言っているのかわからなかった歌詞がスムーズに聞こえるようになったことは驚きでした。

と言っても、私の場合、多忙を理由にして講座に参加している間しか英語絵本の読んでなくて、自宅での練習が全然足りておらず、まだまだなのですが・・・
講師はUSでモンテッソーリ・インストラクターの資格をもって子どもたちに教えていた経験もあり、発音をきちんと直してもらえたことはありがたかったです。また現地での教育経験豊富な中から溢れ出てくる絵本や子どもたちへの思い、そして絵本を読むことを通して子どもたちを笑顔にしていくという姿勢に大いに学ぶことができました。残り1回の講座にはきちんと練習をして臨もうと思います。(修了証、ちゃんともらえるかなぁ・・・^^;)
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