2月25日(土) 10:30〜
とことこペンギン隊の出前教室「出張はじめましての絵本たち in こひつじ文庫」に参加してきました♪
当日、紹介してくださった絵本のすべてのラインナップは、こひつじ文庫のマーガレットさんがブログにまとめてくださっているので、そちらをご参照ください♪→はじめましての絵本たちin こひつじ文庫
その中で、お気に入りの本だけ、レビューしてみます。
まずは荒井良二さんの『あさになったのでまどをあけますよ』偕成社
あさになったのでまどをあけますよ
著者:荒井 良二
販売元:偕成社
(2011-12-02)
この絵本を初めて手にした時の印象は、「荒井良二さんって、普通に絵が上手いんだ!」ということ。もちろん日大芸術学部美術学科卒業ですから、絵は上手いに違いないのですが、絵本の絵はこどもたちが落書きを楽しむような自由な発想と、ラフなイメージがあって、とくに前作の『モケモケ』は、赤ちゃん時代にあって、概念的な言葉を獲得すると同時に抹消する「共感覚」を表現している不思議な絵本です。
モケモケ (おはなしのたからばこ 32)
著者:荒井 良二
販売元:フェリシモ出版
(2010-05-21)
『あさになったので・・・』は荒井良二さんが東日本大震災の後、もともと風景を描いた絵本を描く予定だったのだがいろいろ考えたと『この本読んで!2012春』の記事に書いてあります。
「風景を描くというコンセプトはそのままなんだけど、震災はやはり何らかの形で僕自身に影響を与えましたね。この絵本のことを考えながら、東北の被災された地を回っているうちに『オレのやってることって、朝が来たらカーテンを開けることくらいの役目かな』と思ったんです。東北のみならず、日本各地をあちこち取材しては写真を撮り集めて、頭の中でコラージュして描きました。ビルのある風景も日本らしい景色だよね。商店街の描かれている場面は、東北のある駅のイメージです。かなりアレンジしていますけどね。被災した方たちよりむしろ、被災していない地域の日本の人たちに、ぜひ見てもらいたい。景色の記憶って風化され、遠のいてしまうと思うから。日本に住んでいる人たちにとって今回のことは忘れてはいけない出来ごとになってしまった。しかも原発という恐怖にさらされる時代にも突入したわけですよね。窓を開けるといつもの風景がありますよね、という僕から投げかけです。」(「この本読んで!2012春」p44より)
朝が来て、カーテンを開ける。窓の外にいつもある風景、差し込んでくる光のまぶしさ、どんなときにも「新たな今日」は毎日みんなのところに訪れるのです・・・と。その思いをこどもたちにも伝えていきたいと思います。
次は『カエサルくんとカレンダー』福音館書店
カエサルくんとカレンダー (福音館の科学シリーズ)
著者:いけがみしゅんいち
販売元:福音館書店
(2012-01-18)
私たちが日常で使っている太陽暦のことについて、子ども達にもわかりやすく説明した科学絵本です。どうしてうるう年は2月が29日になのか?秀作です。こどもたちが知りたいと思うところに、つまりかゆい所に手が届くという知識絵本です。
福音館書店創立60周年記念出版の1冊は・・・私の両親にプレゼントしたいと思った1冊。
ふるさと60年 (日本傑作絵本シリーズ)
著者:道浦 母都子
販売元:福音館書店
(2012-02-15)
定点観察で風景が戦後60年の間にどう変化してきたのかが、よくわかる本です。私の記憶に残っている風景は昭和40年代あたりからですが、子ども時代の町の様子がそのままで、ちょうど映画「ALways3丁目の夕日」に感じる郷愁とオーバーラップします。ただ、懐かしい景色を描くだけでなく、現在とそして今後への震災を経験したこの国がどのように変化していくべきなのかを、未来図に込めているところが素敵だと思いました。
もう1冊も福音館書店の本。『風の島へようこそ くりかえしつかえるエネルギー』
風の島へようこそ (福音館の科学シリーズ)
著者:アラン・ドラモンド
販売元:福音館書店
(2012-02-15)
こちらも科学絵本です。デンマークの風力発電だけで電力を自給自足している小さな島の取り組みを紹介し、今私たちが直面させられているエネルギー問題、原発依存からの脱却を考えなければいけない問題を、子どもたちにも自分の問題として考えるように提起している本です。クリーンエネルギーのよさを伝えながらも、導入に対して多くの人が反対した事、みんなに理解してもらうために長い時間がかかったことなども、きちんと伝えてくれています。日本が今将来のエネルギー供給をどうするのか、真剣に国民の間で議論しなければいけない時に、まさに寄り添ってくれる本です。子どもと一緒に読んで、話し合うきっかけにしてほしいと願います。
もう1冊も科学絵本。『月へ アポロ11号のはるかなる旅』偕成社
月へ アポロ11号のはるかなる旅
著者:ブライアン・フロッカ
販売元:偕成社
(2012-01-17)
アポロ11号の月面着陸は私が9才の時でした。当時の大ニュースであったことは鮮明に記憶しています。家族やご近所の方々とテレビ画面に釘つけになったことも、昨日のように甦ります。今から思えば、まだインターネットも普及していない時代、コンピューター技術もまだまだ開発途上だった時代に成し遂げられた人類初の月面着陸。それが細かなイラストとともに丁寧に描かれており、宇宙好き、科学好きのこども達だけでなく、大人だってわくわくしてしまう1冊です。
最後の1冊が、『たんじょうびおめでとう!』長崎出版、こみやゆうさんの翻訳です。
たんじょうびおめでとう!
著者:マーガレット・ワイズ ブラウン
販売元:長崎出版
(2011-12-22)
マーガレット・ワイズ・ブラウンと、レナード・ワイスガードの作品。絵がとてもきれいです。誕生1年め。その日を迎える事の喜びを改めて思い出させてくれる1冊として大切にしたいなと思いました。
28冊の絵本をレビューしていただいて、6冊ヒット♪今回は、確率が高かったです。たくさんの絵本が出版されていますが、???と思う絵本もたくさんあるのが事実。
こども達に手渡したいと思う絵本、これからもずっと読み継がれていくだろうなと思える絵本に出会うのはなかなか難しいけれど・・・今回は素敵な絵本に出会えたな♪と思いました。
とことこペンギン隊の出前教室「出張はじめましての絵本たち in こひつじ文庫」に参加してきました♪
当日、紹介してくださった絵本のすべてのラインナップは、こひつじ文庫のマーガレットさんがブログにまとめてくださっているので、そちらをご参照ください♪→はじめましての絵本たちin こひつじ文庫
その中で、お気に入りの本だけ、レビューしてみます。
まずは荒井良二さんの『あさになったのでまどをあけますよ』偕成社
あさになったのでまどをあけますよ
著者:荒井 良二
販売元:偕成社
(2011-12-02)
この絵本を初めて手にした時の印象は、「荒井良二さんって、普通に絵が上手いんだ!」ということ。もちろん日大芸術学部美術学科卒業ですから、絵は上手いに違いないのですが、絵本の絵はこどもたちが落書きを楽しむような自由な発想と、ラフなイメージがあって、とくに前作の『モケモケ』は、赤ちゃん時代にあって、概念的な言葉を獲得すると同時に抹消する「共感覚」を表現している不思議な絵本です。
モケモケ (おはなしのたからばこ 32)
著者:荒井 良二
販売元:フェリシモ出版
(2010-05-21)
『あさになったので・・・』は荒井良二さんが東日本大震災の後、もともと風景を描いた絵本を描く予定だったのだがいろいろ考えたと『この本読んで!2012春』の記事に書いてあります。
「風景を描くというコンセプトはそのままなんだけど、震災はやはり何らかの形で僕自身に影響を与えましたね。この絵本のことを考えながら、東北の被災された地を回っているうちに『オレのやってることって、朝が来たらカーテンを開けることくらいの役目かな』と思ったんです。東北のみならず、日本各地をあちこち取材しては写真を撮り集めて、頭の中でコラージュして描きました。ビルのある風景も日本らしい景色だよね。商店街の描かれている場面は、東北のある駅のイメージです。かなりアレンジしていますけどね。被災した方たちよりむしろ、被災していない地域の日本の人たちに、ぜひ見てもらいたい。景色の記憶って風化され、遠のいてしまうと思うから。日本に住んでいる人たちにとって今回のことは忘れてはいけない出来ごとになってしまった。しかも原発という恐怖にさらされる時代にも突入したわけですよね。窓を開けるといつもの風景がありますよね、という僕から投げかけです。」(「この本読んで!2012春」p44より)
朝が来て、カーテンを開ける。窓の外にいつもある風景、差し込んでくる光のまぶしさ、どんなときにも「新たな今日」は毎日みんなのところに訪れるのです・・・と。その思いをこどもたちにも伝えていきたいと思います。
次は『カエサルくんとカレンダー』福音館書店
カエサルくんとカレンダー (福音館の科学シリーズ)
著者:いけがみしゅんいち
販売元:福音館書店
(2012-01-18)
私たちが日常で使っている太陽暦のことについて、子ども達にもわかりやすく説明した科学絵本です。どうしてうるう年は2月が29日になのか?秀作です。こどもたちが知りたいと思うところに、つまりかゆい所に手が届くという知識絵本です。
福音館書店創立60周年記念出版の1冊は・・・私の両親にプレゼントしたいと思った1冊。
ふるさと60年 (日本傑作絵本シリーズ)
著者:道浦 母都子
販売元:福音館書店
(2012-02-15)
定点観察で風景が戦後60年の間にどう変化してきたのかが、よくわかる本です。私の記憶に残っている風景は昭和40年代あたりからですが、子ども時代の町の様子がそのままで、ちょうど映画「ALways3丁目の夕日」に感じる郷愁とオーバーラップします。ただ、懐かしい景色を描くだけでなく、現在とそして今後への震災を経験したこの国がどのように変化していくべきなのかを、未来図に込めているところが素敵だと思いました。
もう1冊も福音館書店の本。『風の島へようこそ くりかえしつかえるエネルギー』
風の島へようこそ (福音館の科学シリーズ)
著者:アラン・ドラモンド
販売元:福音館書店
(2012-02-15)
こちらも科学絵本です。デンマークの風力発電だけで電力を自給自足している小さな島の取り組みを紹介し、今私たちが直面させられているエネルギー問題、原発依存からの脱却を考えなければいけない問題を、子どもたちにも自分の問題として考えるように提起している本です。クリーンエネルギーのよさを伝えながらも、導入に対して多くの人が反対した事、みんなに理解してもらうために長い時間がかかったことなども、きちんと伝えてくれています。日本が今将来のエネルギー供給をどうするのか、真剣に国民の間で議論しなければいけない時に、まさに寄り添ってくれる本です。子どもと一緒に読んで、話し合うきっかけにしてほしいと願います。
もう1冊も科学絵本。『月へ アポロ11号のはるかなる旅』偕成社
月へ アポロ11号のはるかなる旅
著者:ブライアン・フロッカ
販売元:偕成社
(2012-01-17)
アポロ11号の月面着陸は私が9才の時でした。当時の大ニュースであったことは鮮明に記憶しています。家族やご近所の方々とテレビ画面に釘つけになったことも、昨日のように甦ります。今から思えば、まだインターネットも普及していない時代、コンピューター技術もまだまだ開発途上だった時代に成し遂げられた人類初の月面着陸。それが細かなイラストとともに丁寧に描かれており、宇宙好き、科学好きのこども達だけでなく、大人だってわくわくしてしまう1冊です。
最後の1冊が、『たんじょうびおめでとう!』長崎出版、こみやゆうさんの翻訳です。
たんじょうびおめでとう!
著者:マーガレット・ワイズ ブラウン
販売元:長崎出版
(2011-12-22)
マーガレット・ワイズ・ブラウンと、レナード・ワイスガードの作品。絵がとてもきれいです。誕生1年め。その日を迎える事の喜びを改めて思い出させてくれる1冊として大切にしたいなと思いました。
28冊の絵本をレビューしていただいて、6冊ヒット♪今回は、確率が高かったです。たくさんの絵本が出版されていますが、???と思う絵本もたくさんあるのが事実。
こども達に手渡したいと思う絵本、これからもずっと読み継がれていくだろうなと思える絵本に出会うのはなかなか難しいけれど・・・今回は素敵な絵本に出会えたな♪と思いました。