大切な予算の中で購入してもらう本です。
(10年以上前と比較して、予算は半分くらいに減らされています。行政が経費削減で真っ先に手をつけるのは、子どもの未来に直結すると思われるこうした予算なんですよね…)
候補に挙がっている本を1冊ずつ手にとって、中身を読んで、文庫に来ている子ども達の顔を思い浮かべながら選んで行きます。
書評や雑誌で取り上げられている本でも、実際手に取って見ると「えっ?」というような本もあります。
最近の絵本の傾向として、絵が描きこまれ過ぎていたり、文章もくどいものがあったりで、子ども達の想像力が膨らむのを阻害するようなものが多いような気がします…
それだけ今の子ども達が小さいうちから映像メディアにさらされていて、自分で想像しながら思い描く力が育ってないということなのかもしれませんが、だからこそ厳選した絵本を手渡す責任が子どもの本に関わる者にはあるのですよね。
会場にした地元の図書館、私の勤務しているところではない別の会社に区が業務委託している図書館です。今年4月から業務委託になってから、書架が格段にきれいになり、本が探しやすくなりました。
今までは絵本でも「あ」のところに並んでいる本は、適当に入れられていて「ああ」〜「あい」〜「あう」というようにあ行で始まるタイトルの五十音順にはなっていなかったので、同じタイトルの絵本が離れたところに入っていたり、ほんとうに探し辛かったのです。
絵本などの汚れや傷みもそのまま放置されていましたが、今はきれいに補修などもされています。
今、図書館を業務委託にすることや指定管理にすることに対して反対運動が起きています。
たしかに利潤を生まない図書館サービスは民間委託にそぐわないという意見も納得します。
それでも今まで区の職員が図書館業務をないがしろにしてきたことを、民間委託先の司書たちは安い人件費でありながら、司書の誇りにかけて丁寧にやっているのです。
できるならば23区でも司書を専門職としてきちんと雇用すべきです。それをしてこなかったから、教育委員会も図書館サービスとは何なのかさえ理解していないし、簡単に民間に下ろそうとしちゃうんですよね…
根本的な部分をきちんと見据えないと、この問題は単純に反対するだけでは解決しないと思っています。そんなことをきれいになった書架を見ながら思いました。